中国は新型コロナウイルス肺炎対策の正念場を迎えている。湖北省の第一線の病院ではいまだ医療物資が不足しており、各方面からの支援が待たれる。国内の医療物資調達が困難だと知り、在日留学生や教員、OG・OBで構成されるNPO法人全全日本華人科学技術促進会(以下略称:華促会とする)は2月初め、湖北省の第一線で闘う病院への支援を日本在住の華人に呼びかける「義援金・支援物資イニシアティブ」を起草。留学生や華人・華僑など各界の友人が積極的にこの呼びかけに応じた。その結果、約18万元の義援金が集まり、その義援金で医療物資を調達し、湖北省黄岡市中心医院と鄂州市鄂鋼医院の医療スタッフの元に直接届けた。
活動が始まると、華促会の各大学分会(大阪大学、九州大学、京都大学、東京大学 、東京工業大学、東北大学、名古屋大学、広島大学、北海道大学、早稲田大学)のメンバーが協力し、募金活動に取り組むチームを早急に結成。2月はちょうど日本の大学の卒業シーズンに当たり、チームの中には卒業を控えた博士課程の学生も多くいた。彼らは卒論や答弁の合間を縫って休みの時間を削って煩雑な募金活動に取り組んだ。調達、物流、連絡、宣伝、会計などのグループに分かれ、自らのスキル、周囲の人脈を駆使して、厳密かつ効率的に一連の作業を進めていった。
今回の募金活動は2月2日から8日続き、最終的に352口の募金、総額12万8030元が集まった。また、東京国際華人慈愛チームと個人が提供した5万5671元相当の医療防護物資も受け取った。2600枚のN95防護マスク、3800枚の医療用マスク、51個の防護めがね、500着の防護服、1万2360枚の医療用ゴム手袋、700個の防護帽子、1700組の防護シューズカバー、69本の医療用スプレーボトル、20個の赤外線体温計、86個の体温計などの物資が集まった。楽Goo国際物流公司と広東龍浩航空による武漢救援物資グリーン通路を通じて、これらの物資を3回に分けて、湖北省黄岡市中心医院と鄂州市鄂鋼医院の医療スタッフの元に直接届けた。
華促会東京大学分会の呉婧会長は、「華促会が寄付した医療物資は、湖北省の病院が直面している物資不足にとっては焼け石に水かもしれないが、華促会のような無数の海外の華人団体が各自の力を生かして何かしら貢献しようと努めている。在日華人や各界の友人は心を合わせてどんな困難も克服した。中国は必ず難題を克服すると信じている」と語った。