ポストコロナ時代の中日経済貿易関係は、どのように発展するのでしょうか。先ほど開催された「ポストコロナ時代の日本経済と中日経済関係」学術シンポジウムにおいて、出席した専門家と学者は、中日は経済貿易協力の新たな契機を迎えるかもしれないと述べました。
全国日本経済学会の会長である尹中卿氏(全人代常務委員会委員、全人代財経委員会副主任委員)は「中国は国内大循環を主体とする、国内・国際ダブル循環による相互促進という新たな発展構造の形成の加速に取り組む。引き続き高品質の改革開放を推進し、より高水準の発展を実現し、中日経済貿易協力に新たな発展のチャンスをもたらす」と指摘しました。中国社会科学院日本研究所の所長である楊伯江氏も、「中国は現在、感染対策及び経済回復の面で世界の先頭に立ち、実体経済の発展の強靭性、中国市場の大きな活力と潜在力を示している。先ほど中国共産党第19期中央委員会第5回全体会議(五中全会)が開催され、社会主義現代化国家の全面的な建設の新たな旅路につき、対外開放の新しい構造の形成を打ち出した。中日経済貿易協力は新たな契機を迎えるかもしれない」と判断しました。
全国日本経済学会の常務副会長である張季風氏は「新型コロナウイルス感染症の影響を受け、世界経済の不確実性が上がり、輸出が困難に直面している。これに日本国内の経済・政治・社会にもさまざまなリスクが存在することが加わり、日本経済は再び後退の局面に陥っている。日本が新たな景気後退から脱却する最良のルートの一つは、中国との経済協力の強化だ」と指摘しました。
ポストコロナ時代の中日経済貿易協力の強化について、中国国際経済交流センター副理事長、商務部元副部長の魏建国氏は▽双方のシンクタンクの交流を強化する▽革新的な方法により双方の協力を促進する▽デジタル経済を把握する▽両国の「一帯一路」をめぐる第3国市場における協力を強化する▽双方の協力を文化的な中身のレベルまで掘り下げる―という5つの内容を提案しました。
在中国日本大使館経済公使の田中英治氏、AGC株式会社執行役員、中国総代表の上田敏裕氏、日本貿易振興機構(ジェトロ)北京事務所経済情報部部長の藤原智生氏ら日本側の高官及び企業界関係者も今回のシンポジウムに出席しました。
田中氏は「中日経済貿易協力は新たな変動のもとチャンスと挑戦に直面している。双方は大きな流れに乗り、既存の成果を定着させ、壁を取り除くべきだ。引き続き全面的かつ広い分野の互恵協力及び交流を促進し掘り下げ、中日関係の健全で安定的で持続的かつ前向きな発展を推進するべきだ」と述べました。上田氏はAGCの発展の角度から、ポストコロナ時代の在中国日本企業の中国市場への基本的な認識を描き出し、「新型コロナや中米貿易摩擦などの不確実な影響があるが、在中国日本企業は依然として中国市場に期待しており、大規模な中国撤退はありえない」と述べました。藤原氏はジェトロの在中国日系企業を対象に行なった調査の結果により上述した観点を支持し、かつ現在の日本企業による中国撤退の行為の多くが、正常な戦略的計画調整であると述べました。
ポストコロナ時代に、中日経済貿易協力の強化は中日両国の経済発展の確かな需要であり、またアジア及び世界経済の再スタートの重要な助力でもあります。中日経済貿易協力のさらなる掘り下げに期待しましょう。