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japanese.china.org.cn |06. 08. 2021

緊急事態宣言に「薬剤耐性」をつける日本

タグ: 渋谷 緊急事態 繁華街

 

 緊急事態宣言下の東京都渋谷の繁華街、時間は夜の8時半。

 

 かつてほどの賑わいではないが、依然として混雑している。窓の中を見ると、多くの居酒屋がほぼ満席で、宴もたけなわだ。ある店は窓を大きく開き、中から騒音が漏れる。ある店は店の外にテーブルと椅子を設置している。利用客は悠々とコップを手にし、路傍で酒を飲んでいる。

 

 日本政府は昨年以降、新型コロナウイルスを受け緊急事態宣言を4回発出している。専門家は、緊急事態の規制が緩み、「薬剤耐性」により新型コロナウイルスへの抑制効果が徐々に弱まっていると指摘した。

 

 東京五輪期間中の大規模な感染拡大を予防するため、日本政府は7月上旬、7月12日から8月22日にかけて東京都に4回目の緊急事態宣言を発出すると発表した。6週間の緊急事態は五輪にとって「フルカバー」の防護と呼べる。

 

 禁酒令を例とすると、飲酒による密集は日本の感染拡大にとって最大のリスクとされてきた。4回目の緊急事態宣言中、酒類とカラオケを提供する施設は営業停止となり、酒類を提供しない施設の営業は夜8時までとなっている。

 

 ところが「日本経済新聞」が新宿や渋谷など一部の繁華街の店を調査したところ、約52%の店が規定の営業時間を守らず、多くが夜間も酒類を販売していた。ある居酒屋は大型テレビを設置し、「一緒に五輪を応援しよう」で客を集めていた。

 

 7月上旬の段階では、東京の1日あたり感染者は1000人を下回っていた。変異株「デルタ株」の感染拡大ペースが上がり、東京の感染者数の増加が続き、7月31日には4000人を超えた。日本政府は受動的に、4回目の緊急事態宣言の範囲を8月2日より、東京と沖縄から首都圏及び大阪府などに拡大すると発表した。期限は8月末まで延長された。

 

 これに対する日本メディア及び専門家の反応はあっさりしており、国民の態度はより冷淡で、すべて平常通りだった。同時に日本政府の規定に違反し酒類を販売する店への管理と処罰が弱まっており、営業し生計を維持しようとする店が増えている。

 

 報道によると、日本政府は休業中の店に協力金を支給するが、損失を補える額ではない。ある店主は、倒産を避けるため感染のリスクを冒して営業を続けるしかないと述べた。

 

 また収容・治療能力が限定的であることから、日本の医療機関は主に重症者を受け入れ、中等症もしくは軽症の感染者の大半が自宅療養を求められている。フジテレビの報道によると、東京の4日現在の自宅療養者数は約1万4800人で、再び過去最多を更新した。これらは人々の感染拡大への感覚の麻痺をさらに深刻にしている。

 

 記者が街頭を取材したところ、今回の緊急事態宣言中、繁華街を出入りする人流が目に見えるほど減少していなかった。ある日本の消費者は記者に、感染対策により出国できないため、自分にご褒美をあげるしかないと話した。

 

 第一生命経済研究所の首席エコノミストの永濱利廣氏は、「緊急事態の人流抑制効果が減り、感染症への抑制効果が減る。しかし4回目の緊急事態宣言は依然として個人消費の足を引っ張っている。これにより、第3四半期のGDP成長率は全四半期比でマイナス0.6%、年率換算でマイナス2.3%になる見通しだ」と述べた。

 

  「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年8月5日