リモートで挨拶中の福田康夫元首相
リモートで参加した日本国元首相の福田康夫氏も、来年の北京冬季五輪・パラリンピックに触れ、「中国がコロナ対策と大会運営の両方をしっかりと対処できることを信じており、成功を祈っている」とし、地球温暖化、感染症、テロなどの地球的課題には世界各国が「人類運命共同体」の姿勢で対処する必要があり、中でも日中両国が協力を深めるべきだと訴えました。そのうえで、日中間で対話が不足している現状を指摘して、「両国首脳がいち早く会談を実現し、各分野での交流も強化させる必要がある」と強調しました。
中国社会科学院・謝伏瞻院長
中国社会科学院の謝伏瞻院長は「世界が百年に一度の大変革にあるからこそ、両国の有識者が歴史と戦略的な高みから、理性的で責任ある姿勢をとり、対抗的な考えをあきらめ、率直に対話し、中日関係の長期的かつ安定した発展を共に守っていく必要がある」と話しました。
日本の垂秀夫駐中国大使
日本の垂秀夫駐中国大使は、足元の日中関係は困難にぶつかった面があるものの、「双方にとって相手国との関係が最も重要な二国間関係の一つである事実は変わっていない」とし、相手のことを思いやる精神に基づいて、誠実に意思疎通を重ねるよう呼びかけました。また、オリンピックでの交流については、「東京での成功が北京での成功につながり、北京冬季五輪が必ず成功裏に開催されることを希望する」と期待を述べました。そのうえで、「日中は地域と世界の平和と繁栄に対して、ともに大きな責任を有しており、長期にわたる安定的かつ建設的な日中関係を構築していくことが何よりも大事だ。ハイレベルを含む緊密な意思疎通を通じて、政治的相互信頼を醸成するとともに、民間交流をしっかりと推進し、良好な国民感情を醸成すべく互いに努力する必要がある」と指摘しました。