新型コロナウイルス感染症の衝撃を受け、世界的な変動がハイペースで進み、中米の駆け引きが激化しています。中日関係も複雑化しており、「新時代の要求に合致する中日関係」の構築が重要な節目を迎えています。中国社会科学院が主催し、中国社会科学院日本研究所が事務局となる「新時代の要求に合致する中日関係の構築を目指して」並びに日本研究所設立40周年国際学術シンポジウムが8月28日、北京市で開催されました。国内外の来賓が率直かつ深く議論しました。
全人代常務委員会の顧秀蓮元副委員長は、「両国の善隣友好関係の発展は両国人民の根本的な利益に合致し、かつ地域ひいては世界の平和と発展に資する。これは中日国交正常化の歴史の経験だ。重大かつ敏感な問題といかに向き合い、適切に処理するか、特に歴史及び台湾問題は中日関係の前進と後退の試金石になっている」と指摘しました。新時代の要求に合致する中日関係をいかに構築するかについて、顧氏は感染対策の協力の強化、五輪協力の展開、経済協力の奨励、男女平等の促進、青少年の交流の拡大などを提案しました。
日本の福田康夫元首相は、「21世紀に入り、防疫やテロ対策などによって安全保障に新たな内容が加わった。日中両国はこれをめぐり協力を強化し、かつ人類運命共同体の理念に基づき対応すべきだ」と指摘しました。
中国社会科学院の謝伏瞻院長は、中日関係の健全かつ安定的な発展について、▽歴史の伝承を堅持し、中日関係の本質的内容及び根本的方向を正確に把握する▽戦略的安定を維持し、敏感な問題と対立及び摩擦を適切に管理・制御する▽時代の流れに順応し、共同の利益と協力分野を掘り下げ、拡大する▽文明の相互参照を促進し、中日民間往来及び世論の雰囲気を持続的に改善する――という4点を提案しました。
日本の垂秀夫駐中国大使は、「昨今の日中関係は必ずしも順調ではないが、双方は互いに最も重要な二国間関係の一つだ。立場の異なる相手であっても誠実に意思疎通を重ねるべきだ。東京オリンピック・パラリンピックの後、北京もいよいよ冬季オリンピック・パラリンピックを迎える。東京での成功が北京での成功につながり、来年の北京冬季オリンピック・パラリンピックが成功裏に開催されることを希望している」と指摘しました。
中日友好協会常務副会長、元中国駐日本大使の程永華氏は、「まず、新時代の要求に合致する中日関係の構築は、日本側が客観的かつ理性的に中国の発展を見る必要がある。中国の発展の道は中国の国情に合致する、歴史と人民の選択だ。中国の発展は平和的発展で、中国の発展は世界のチャンスであり、中国の発展は世界に福をもたらす。次に、新時代の要求に合致する中日関係の構築は、両国の民意と社会の堅固な基礎が必要だ。日本国内の中国への好感度が近年低迷しており、中日両国の人々に依然として相互を客観的・全面的・理性的に認識できないといった問題が残されているが、中日は地理的に近く文化が相通じ、両国の民間友好と地方交流に深く厚い基礎、優れた伝統があることに注意しなければならない」という2つの考えを示しました。
中国社会科学院日本研究所の楊伯江所長は、「中日関係は2017-19年の改善・好転の段階を経た後、現在は再びどの道を選ぶかに関する重要な山場を迎えている。情勢が複雑であるほど、中日はいっそう感染症の困難を克服し、接触と意思疎通を堅持し、情報の壁を打破し、相互信頼の流失を阻止するべきだ。情勢が複雑であるほど、我々はいっそう初心を貫き、相互理解及び尊重を堅持し、理解を深め互いに寛容になるよう取り組むべきだ」との見方を示しました。
現在の複雑に錯綜する世界の変動を迎え、中日による「新時代の要求に合致する中日関係」の構築を促し、中日関係の持続可能で安定的な発展を実現するため、本シンポジウムは多くの価値ある建設的な観点と考え方を示しました。