2020年11月15日、ASEAN10カ国および中日韓豪シンガポールのアジア太平洋地域15カ国は『地域的な包括的経済連携協定』(RCEP)に正式調印し、世界の3分の1の人口をカバーし、GDPと貿易・海外直接投資に占める割合が30%前後の新興の自由貿易区が設立された。協定調印から1年がたち、中国国際商会中日韓企業交流センターと蘇州市相城区政府は北京市で「対話相城――RCEP枠組み下の中日韓経済貿易協力の新チャンスシンポジウム」を共催し、中日韓の関係政府部門の役員、専門家、学者、ビジネス協会と企業の代表を招いて「革新発展、協力ウィンウィン」をテーマにRCEPの3国への意義を分析し、3国協力の新たな形式とチャンスを話し合った。
中国国際商会の劉振華副書記は開会式で発言し、「新型コロナウイルス流行は中日韓3国に程度の異なるダメージを与えたが、各方面の共同の努力のもとで、中日と中韓の経済貿易協力は成長を実現し、今年上半期の二国間貿易額はそれぞれ23.7%と28.5%増加した。双方向投資が勢いよく発展している。これは中日韓経済貿易協力の粘り強さと活力を十分に示し、3国のサプライチェーン・産業チェーン協力の安定性が高まっていることも示している」と述べた
劉振華氏はまた、「RCEPの実施は中日韓の貿易投資の自由化と利便化を全面的に引き上げ、中日韓のアジア太平洋産業チェーン・サプライチェーンにおける密接関係を深めたと。関係各方面はRCEPの承認作業を進めており、中日韓は各自の優位性と産業相互補完性を十分に発揮し、貿易投資の協力レベルを引き上げ、重点分野の実務的協力を積極的に推し進め、第三者市場での協力を開拓し、地域と世界の産業チェーン・サプライチェーンの安定を共同で維持し、コロナ後の世界経済回復に新たな活力を注ぐ必要がある」と話した。
中日韓三国協力事務局の白範欽事務次官は主旨演説『RCEP枠組み下の中日韓協力のチャンスと試練』の中で、「RCEPの調印に伴い、中日韓3国の間に存在した一部の関税の障壁がなくなり、これは地域の貿易発展と経済協力に積極的な効果をもたらした。RCEPは3国に巨大な経済効果をもたらすだけでなく、3国間の社会と文化の交流も促すと予見できる」と述べた。
日本貿易振興機構北京事務所の日向裕弥副所長は『RCEP枠組み下の地域経済一体化』をテーマに発言し、「日本政府の推計によると、RCEPが発効すれば日本のGDP成長率を2.7%押し上げる。RCEPは中日間の経済相互補完性のある最初の自由貿易協定であり、中日間貿易に大きな影響をもたらし、日本の対中輸出の関税ゼロ製品の数は8%未満から86%に上昇する。そのほか、各加盟国は統一された基準のもとで協力することができ、その意味は非常に大きい」と述べた。
相城区は蘇州市で最も潜在力のある地域の1つであり、RCEPを戦略的チャンスとし、対日・対韓協力を加速している。相城区政府の劉強副区長はシンポジウムで相城区のビジネス環境を紹介し、日本企業代表の前田珈琲有限会社と韓国企業代表のオンセミ半導体技術有限会社の責任者が相城区投資経験をシェアした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年10月22日