和歌山県の温泉地、白浜町は過ごしやすい気候で、絵に描いたような風景が広がる。ここで最も有名なのは温泉とビーチだけではなく、他にも現地のテーマパーク「アドベンチャーワールド」で暮らす特殊な動物、中国の「国宝」ジャイアントパンダの家族がいる。パンダたちは中日両国の民間交流の強化、希少動物の保護・研究などに向け独特な力を発揮している。
園は22日、園内で暮らすパンダファミリーのうち最年少のメス「楓浜」の1歳の誕生日パーティーを開いた。園の説明によると、「楓浜」という名にはパンダの赤ちゃんが秋の楓のように美しくなり、愛に包まれ幸せに成長してほしいという願いが込められている。職員は室内でパーティーのセッティングを行い、誕生日プレゼントを贈った。プレゼントは、現地で生産された木材で作った「ハッピーバースデー」と書かれた積み木、楓の葉の形をした氷と数字の「1」の氷だった。
「楓浜」は同日の午前9時、職員に抱っこされ会場に入ると、きょろきょろしながらプレゼントの周りをうろついた。好奇心旺盛に積み木の匂いをかぎ、触り、最後には突き崩した。園は同日、「楓浜」の誕生日パーティーの全過程をライブ配信した。多くのパンダファンがリアルタイムで視聴した。園側はさらに現地の観光客に「楓浜」の写真がプリントされた2000枚のクリアファイル、「楓浜」の成長を紹介するパンフレットを配り、その成長の喜びを共有した。
パンダは中国の国宝と名刺で、世界各国の人々から深く親しまれている。「楓浜」が昨年のコロナ禍に誕生すると、中国外交部の報道官が祝賀メッセージを寄せた。また、「楓浜」は日本人に喜びを届け、中日友好を見守ることだろうと述べた。
薛剣中国駐大阪総領事は「楓浜」の1歳の誕生日である22日に現場に駆けつけお祝いし、園側に孔鉉佑中国駐日大使が揮毫した「親善大使」のグリーティングカードを渡し、「パンダも外交官、民間交流大使だ」と述べた。
中国のパンダ「康康」と「蘭蘭」は1972年に海を渡り、日本でパンダブームを巻き起こした。それから50年弱になるが、日本人の間でパンダ人気に衰えはない。22日には大雨が降ったが、意欲的な人々の足を止めなかった。午前に開園すると、パンダ館の前に直ちに長蛇の列ができた。パンダの魅力の一端を伺える。温泉地全体でも、駅、道路、観光地などでパンダのイメージを目にすることができる。
アドベンチャーワールドで誕生したパンダの名前には「浜」が使われる。「楓浜」の誕生により、名前に「浜」のあるパンダが17頭になった。これはパンダ国際協力における繁殖頭数が最多の、海外で最大の人工飼育グループとなった。ここで誕生したパンダのうち11頭はすでに契約に基づき中国に返還されている。園側は、この成果は中国成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地との27年に及ぶ国際科学研究協力のおかげと述べた。
昨年「楓浜」が誕生した際に、成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地の人員は新型コロナウイルスの影響により訪日できなかった。そのため「楓浜」は園の日本側人員のみで取り上げた初のパンダの赤ちゃんになった。今津孝二園長によると、園側はインターネットで成都側から指導を受け、念入りに出産の準備を整えた。またオンラインのリアルタイム交流で助言を受け、「楓浜」が無事誕生したという。「楓浜」がこの1年間ですくすくと成長したのは、中国側の力強いサポートのおかげだ。
「楓浜」の体重は現在、出生児の157グラムから28キロに増えている。誕生日当日、このふわふわした大きな赤ちゃんは母のおっぱいを飲む愛らしい様子で、現地のパンダファンを大いに楽しませた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年11月24日