人民大会堂の北門には、100メートルの“部長通路”がある。毎年全人代の時期になると、部長たちがここで国民の関心事を語る。メディア記者にとって、必ずおさえなければならない場所である。
2014年以前、“部長通路”ではしばしば、記者団が部長たちを取り巻き、追いかける状況だった。そして毎年、部長の前を陣取る数名の記者がネット上で注目されていた。2014年以降になると、全人代ニュースセンターは専門業務チームを作り、記者の事前アポや現場での部長直接取材を手助けするようになった。李克強首相は2016年、現代の政府は常に国民の関心に対して迅速に答える必要があり、各部門は社会と密接な交流を維持する必要があるとし、部長たちに対し積極的に記者の質問に答えるように指示した。そこから“部長通路”は、徐々に政府が認めるメディア交流のプラットフォームになっていった。2017年の両会では、2017年3月12日までに40名の部長や責任者が“部長通路”で記者の取材に答えている。“部長通路”で取材に応じた部長の数は史上最多となった。
“部長通路”の専門業務チームは7人で構成される。彼らは全人代の各単位が臨時で選抜した「精鋭部隊」だ。チームリーダーの朱恒順氏はかつて、両会の記者団の一人だった。両会の期間、彼は“部長通路”の取材現場を仕切り、しばしば部長たちを記者のマイクの前まで促し、記者たちの鋭い質問に答えるように促す。残る6人の役割も明確だ。現場で部長を“おさえる”係、取材の順番を手配する係、取材に応じた部長を取材エリアへ誘導する係、取材エリアの秩序を維持する係などだ。部長が列席する全体会議が始まる前と終わりが、“部長通路”が最もにぎやかになる時間だ。現場業務チームが最も忙しくなる時間でもある。
このシステムが有効に成立した背景には、全人代ニュースセンター業務スタッフと関連単位の不断の努力がある。今年の両会でも、各部長が取材に応じるかなり前から、全人代ニュースセンターは記者と部長に対し、様々な意思疎通を図ってきた。まず電話を通じて各部門の責任者に取材意向を尋ね、取材時間や取材の順番を調整してきた。同時に、ウィチャットのアカウントを通じて記者からの質問を収集し、記者が短い取材時間で最大の効果を挙げられるようにした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年3月15日