ロンドン五輪開催期間中、試合などの取材に当たっているが、悩みが1つある。せっかく英語の本場・ロンドンに来たのだから、以前に覚えた英語を少しでも思い出す機会になればと思っていたのに、英語の勉強どころか、無料の「中国語講座」教師を度々させられるのだ。「人民日報」が報じた。
今回の五輪の取材では、中国の金メダルラッシュもあり、早くから中国語ブームを目にしている。ボランティア、観戦者のいずれにしても中国人らしき人を見かけると、「ニーハオ(「こんにちは」の意)」と中国語であいさつをするのだ。そうなると、韓国人や日本人は度々気まずい思いにさせられる。
今日、筆者がセキュリティーチェックを受けている時のことだ。スタッフの1人が、自分の仕事も忘れて、中国語を教えてほしいと近づいてきた。そして、「ニーハオ」を覚えると、「ザイジエン(「さようなら」の意)」も教えてほしいと言われた。取材を急いでいたたものの、そこは無料の「中国語講座」を喜んで引き受けた。
試合会場でも、盛り上げ役の司会者の口から度々、「ニーメンハオ(「皆さんこんにちは」の意)!」「中国、ジアヨウ(がんばれの意)!」という中国語が飛び出し、発音もなかなかのもの。北京にいるような錯覚に陥り、今ロンドンにいることを忘れてしまうほどだ。
中国語は世界で最も難しい言語とよくいわれるが、今回の五輪をみていると決してそうは思わない。やる気さえあれば、誰でも習得できるのだ。ましてや必要に迫られれば、いやでも勉強するしかない。外国人の多くが、「中国人選手は世界で一番すごい。中国語も世界で一番美しい言語」と舌を巻いているが、決して大げさには聞こえない。
結論をいうと、スポーツは実力がものをいい、言語は宣伝が必要ということだ。中国の選手が初めて五輪に出場した当時の事を振り返って見ると、成績という成績も残せなかった。当時は中国語を話せる外国人もいなかったし、勉強したいと思う外国人もいなかった。ところが、今回のロンドン五輪では、中国語を全く話せない人は、その時点で「OUT」だ。
「人民網日本語版」2012年8月7日