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japanese.china.org.cn | 10. 02. 2014 |
国家海洋局は8日、我が国4つ目となる中国南極観測拠点「泰山基地」を正式に開設した。泰山基地は中山基地と崑崙基地の間のプリンセス・エリザベス・ランドに位置し、海抜約2600メートルで、年平均気温は零下36.6度。総面積は1000平方メートルで20人の生活が可能。長城基地と中山基地は通年利用されるが、泰山基地は崑崙基地に同じく南極内陸地での夏季の観測に利用される。
泰山基地は地理環境、建築様式、建設規模などいずれも「先輩」と異なる。記者はかつて12回の南極観察と3回の北極観察の経験を有する極地観測の専門家、王自磐研究員に、新型基地の役割と中国の極地研究における意味合いについて尋ねた。
―宇宙の謎を紐解く鍵「隕石」の集積地
王氏は「泰山基地の重要なポイントは中山基地と崑崙基地の間にあるということ」と話す。崑崙基地は我が国初の南極観測基地で、内陸地に位置するため、大きな船舶もヘリコプターも入ることができない。そのため観測チームの移動手段は雪上車のみで、中山基地から崑崙基地への物資の運搬には約1ヶ月の時間がかかる。両基地の中間に泰山基地が建設されれば、崑崙基地への物資供給に非常に大きな役割を果たす。
王氏はまた、この地に基地を設ける科学的意義について、「この地は南極で隕石が豊富に採集できる場所」だと話す。南極大陸上の隕石は太陽系の他の星々から飛来したもので、他の星々の「DNA」を伴っている。この「DNA」は太陽系の初期情報や変遷の謎を解き明かすための鍵であり、地球外生命の有無を探る上でも重要な意義をもつ。
王氏は、南極で採取された隕石は、隕石年齢(地球での保存時間)が最も長く、長期に渡り無菌条件下で冷凍保存され、地球上での他の物質による汚染も少ないため、研究に最も有利な原始資料となる。
他の大陸では、風化や環境条件によって隕石は落下後数千年しか保存されないが、南極大陸に落下した隕石の年齢は数十万年に達するといわれ、他大陸の約100倍に及ぶ。そのため南極大陸で採集された隕石は、月や火星などの星々から発信された「メール」を時空を超えて「受信」することが可能となるのだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年2月10日
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