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japanese.china.org.cn | 05. 03. 2014

日本一のお茶処、静岡を行く

タグ: 静岡,日本,お茶

 

「山は富士 お茶は静岡 日本一。」民間でこうした短歌が歌われていることからも、静岡のお茶が富士山と同じく日本全国津々浦々、遍く知られていることが分かる。先日、記者は外国記者訪問団とともに、「お茶の静岡」を訪れた。

静岡県は太平洋に面した日本の中腹に位置し、古来から東西交流の結節点となってきた。その歴史は古く、縄文時代にまで遡ることができる。今回訪問団一行が訪れた掛川東山区と牧の原地区には、世界農業遺産となっている茶草場と日本一の面積を誇る茶畑が広がっていた。

東京から新幹線で約2時間、静岡の名城掛川に到着した。この地には世界農業遺産だけでなく、東海道の要所を守り続けた掛川城が聳え立ち、日本最古といわれるその木造天守閣はこの地の歴史の息吹を今に伝えていた。

お茶といえば、やはり中国と深い関係がある。1241年、高僧聖一国師は中国(宋代)からお茶の種を故郷である現在の静岡市に持ち帰って蒔いたことが日本のお茶の始まりとされている。牧の原の茶畑開発は、明治時代の士族授産事業の一端として行われ、 明治32年に清水港が開港すると、静岡産のお茶はますます有名になっていった。農林水産省が発表した最新の統計によると、2012年時点での静岡の茶栽培面積は18500ヘクタールで、日本全国の40%、荒茶生産量は33400キロで日本全国の39%、茶葉生産量は150300キロで日本全国の37%を占め、いずれも日本一となっている。

静岡県内には国連食糧農業機関(FAO)が認める「世界農業遺産」の「茶草場農法」を行う茶畑が5ヶ所あり、中でも掛川東山地区の面積は最も広い。「茶草場農法」とは、茶園周辺で刈り取ったススキやササなどを、茶畑に有機肥料として投入する農法で、日本一健康といわれる東山深蒸し茶のような良質なお茶づくりに役立ち、草場の新陳代謝や草場の生物多様性の保護にも役立っている。

静岡県中西部の牧の原も日本屈指のお茶の産地。標高40~200mの台地で、北から南へ緩い傾斜を帯びており、石が多く、水はけが良い赤土で弱酸性で、気候が温暖で霜が降りることも少ないため、茶の育成に適している。

また、静岡県では2009年から「世界お茶まつり」が開かれており、見て、飲んで、買って愉しめる大市場、世界緑茶会議、国際O-CHA学術会議など、盛りだくさんのプログラムが組まれている。このおまつりには世界の銘茶が集結し、各国の茶葉愛好家がお茶を巡って交流し、お茶の知識を学び、日本の茶道文化を学ぶ。学術会議では世界の最新の茶葉研究が発表され、世界の茶葉市場の発展の展望が議論される。

静岡県はお茶を研究し尽しているといっても過言ではない。「お茶の都」ならではの旅のプランも豊富に取り揃えてあり、静岡市が制作した「お茶巡りマップ」は、地元のお茶屋や茶葉工場、「お茶Bar」などが記され、付近を通るバスの路線も併せて紹介されている。試飲できるお茶から試食の茶菓子、お茶関連製品まで、静岡はすべてがお茶の香りに包まれていた。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年3月5日

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