蘇有朋は今回の「最有力容疑者」で神秘的な人を探すだけでなく、「不眠」の役割を演じている。不眠症患者を初めて演じた蘇有朋は、撮影中のプロ意識で制作スタッフに強い印象を与えた。役柄に近づき、その心理に迫るために、蘇有朋は自主的にダイエットし、また数日眠らないようにして、眠れない不眠症患者の極限の生理的状態を表現した。記者会見で蘇有朋は「故意の不眠症」の感想について、今回は本当に命がけの演技だったと語った。張承監督も「本当に彼は大変だった」と語る。
同作の脚本兼監督をつとめた張承氏は、同作品は「瘋狂的石頭」(CRAZY STONE)の成功のモデルを踏襲し、爆笑をサスペンスに変え、ブラックユーモアのサスペンスのスタイルを失わずに、中国で空白となっているインテリ層の観客をターゲットにすると語った。
映画は冒頭で観客に「最有力容疑者のSとは誰か?」と問いかけ、様々なエピソードで容疑者それぞれの疑わしいポイントを描きだす。それぞれの役柄はネジのように、各ポイントでサスペンスの色彩を強める。作品中の意外な反転により観客の判断は覆され、映画の楽しみを上映時間の100分に限らないものにしている。
業界関係者によると、「最有力容疑者」の独特の謎解き方式の手法は、観客の映画鑑賞の判断を撃ち破るものだ。同作品は血腥さの要素を排除し、ストーリーのサスペンス感やテンポの緊張感で観客を真相追究へと誘う。北京映画祭の最も注目を集める新作として「最有力容疑者」は喜劇の脚本家としての張承監督の野心のみならず、サスペンスに対する国産映画の新たな解釈も表現したものとなる。(編集YH)
「人民網日本語版」2014年4月18日
|