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japanese.china.org.cn | 28. 01. 2015 |
米誌『フォーチュン』の統計によると、山口組の2014年の収入は800億ドルに達した。
日本最大の暴力団「山口組」は今年で創設100年を迎えた。25日、警察庁の警戒のもとで同組織は神戸市の総本部で記念行事を行い、幹部が出席した。
日本の警察庁の統計によると、山口組の構成員は1万6000人超で、2010年の2万人より減少している。また、米誌『フォーチュン』の統計によると、山口組の2014年の収入は800億ドルに達した。
800億ドルはタイの年間予算と同じ額である。
韓国紙『朝鮮日報』はこのほど、山口組の財テクについてまとめた。
山口組の収入は?
山口組を企業とすると、日立の売上高(昨年959億ドル)に次ぎ日本8位となる。
米フォーチュン誌は、山口組の収入は犯罪組織ランキングで2位のロシア「Solntsevskaya Bratva」(85億ドル)を一桁上回ると伝えた。
積極的なモデルチェンジ
社会貢献に従事
こぶしを使うだけでなく、知能型の経済事犯を積極的に活用するのも、2000年代以降の山口組の生存戦略として挙げられる。2007年、金融・ITの専門家らと組んで有名インターネット企業を買収し、株価操作で暴利を得ようとして摘発された事件が代表的だ。
山口組は世界のその他の組織とも協力し、グローバル化の路線を歩んでいる。
ロシアのマフィアとは海産物の密輸で、ウズベキスタンの暴力団とは同国の売春婦を日本に供給する事業でそれぞれ協力している。組織犯罪問題に詳しいノンフィクション作家の溝口敦氏は、ニューズウィークのインタビューで、「彼らは外部勢力と協力する際、組織が外部勢力から攻撃を受けるなどとはまったく考えない」と語った。
「社会貢献」も山口組が手掛けている分野の一つだ。山口組は昨年、麻薬追放運動を奨励し、社会貢献活動を伝えるウェブサイトを開設した。恵まれない人々を支援したり、祭日に地元の住民に餅を配ったり、街を清掃したりする活動を積極的に行っているという。地震や台風などの災害発生時に自衛隊よりも先に被災地へ入り、被災者を手助けする様子も、日本の新聞でしばしば報じられている。
『組織犯罪の経済史(An Economic History of Organized Crime)』の著者デニス・マッカーシーによれば、日本のヤクザは世界で最も中央集権的な組織であり、新入りは必ず組織に忠誠を誓わなければならない。山口組はこの中央集権的な体制により、巨額の利益を手にしている。
収入源
ドラッグ、芸能界、不動産、芸術品……
山口組は1915年に創設され、当時は神戸港の労働者供給業で資金を得ていた。100年にわたり組織を存続させることができた理由について、産経新聞やニューズウィークなどは企業の成功的な経営モデルを取り入れたためと分析している。
山口組の主な収入源は麻薬の密売や売春などに関する違法ビジネスだ。公安調査庁(日本の主な暴力団取締組織)の元捜査官の菅沼光弘氏によると、麻薬の次の収入源は賭博と脅迫だという。
そのほかにも芸能界や不動産投資などさまざまな方面に事業を多角化した。1958年、ほかの暴力団組織が芸能事務所から金を巻き上げていたころ、山口組3代目の田岡一雄組長は100万円を投じて芸能事務所「神戸芸能社」を設立した。人気スターの美空ひばりらを所属歌手として抱え、安定的な収入を確保したほか、地元の有力者らにチケットを売りつけ副収入も得ていた。
山口組は危機をチャンスに変えることを得意とする。80年代のバブル期には不動産や株、美術品投資にも目を向けた。安く買い入れたものを闇市場で高く売り、大きな利益を手にした。90年代に入りバブルが崩壊し始めると、いち早く新たな成長産業だった不良債権整理業に参入し、価値が暴落した資産を積極的に買い入れた。
重要人物
6代目総組長・篠田建市
上述したエピソードが山口組の「原型」を留めていたとするならば、山口組は今や時代の変化とともに転身し、現代的な企業と同じく効率的に経営されている。
これは山口組6代目総組長・篠田建市(司忍)の功労だ。
司忍は山口組の管理を強化するため、大企業の名札制度を導入するよう求めた。こうすることで他の組織との抗争に備え、内乱のリスクを解消するのだ。山口組はさらに奨学金や海外留学の制度を制定している。成績優秀な構成員は欧米諸国に留学し、帰国後は重責を担うことになる。
司忍は産経新聞の取材に応じた。司忍は、山口組が解体されれば3−4万人の構成員が職を失い、多くの若い構成員が新組織を作るため、社会の動乱を招く可能性があると予想した。これらの新組織は、ヤクザの伝統的な価値観に従おうとはしない。
「信じてもらえないかもしれないが、私は山口組を守り、暴力団の減少に努めている。山口組は誤解されている。この暴力団産業の中で、山口組は温厚な方だ」
――山口組6代目総組長・篠田建市
綱領を持つ暴力団
日本最大の暴力団には、なんと綱領があった。
一、内を固むるに和親合一を最も尊ぶ
二、外に接するに愛念を持し信義を重んず
三、長幼の序を弁え礼に依って終始す
四、世に処すに己の節を守り諍を招かず
五、先人の経験を聞き人格の向上をはかる
(これが山口組の綱領であると断りを入れておかなければ、慈善協会の規定のように思われるだろう)
山口組は2013年に『山口組新報』を創刊し、綱領と活動方針を宣伝した。山口組新報は全8ページで、最高指導者の発言と活動に関する記事のほかに、囲碁の試合や芸能ニュースの紙面もある。
上述した綱領の他に、山口組は最近になり内部の行動指針を発表した。
一、警察官と接触しない
二、警察機関に人、物を出さない
三、警察官を組事務所に入れさせない
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年1月28日
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