宮殿建築の代表といえる北京の故宮は、現存するもので世界最大の規模を誇る、最も良好な保存状態を維持する木造構造の建築群である。木造構造の建築物にとって最も怖いのは火である。故宮内には建築を火から守る故宮消防中隊がいる。彼らの日常業務を取材した。
日常:新人は人知れず体を練える
故宮の東華門近くに故宮消防中隊が駐在している。早朝6時になると起床し、素早く訓練を始める。
場所に限りがあるため、彼らの訓練ルートはやや特殊だ。まず故宮の外壁に沿って走る。東華門から始まり、神武門、西華門を経て東華門に戻る。1周3キロだ。ランニングが終わると、平行棒やバーベルを使って体を鍛える。「体を鍛えておけば、肝心な時に迅速に動けるから」と中隊幹部の張志さんは言う。消防服とヘルメットを身に付けている上、火の中に入るときには30キロ以上の酸素呼吸器を背中に背負わなければならない。鍛えられていなければできないことだ。