第2回中ロ交通大学学長フォーラムが発表した情報によると、高速鉄道を軸とする高速旅客輸送ネットワークの営業距離が2020年までに5万キロ以上に達し、人口50万人以上の都市の80%を網羅する見通しだ。
中国人民対外友好協会が主催し、北京交通大学が開催を担当する第2回中ロ交通大学学長フォーラムが、本日北京で開幕した。両国の60校以上の交通関係の大学が、交通の発展、交通教育について議論する。中国鉄路総公司チーフエンジニア、中国工程院院士の何華武氏は基調演説で、「新線、時速250キロ以上の高速鉄道を統計基準とすると、中国の開通済みの高速鉄道は1万7000キロ以上に達する。中国は世界で営業距離が最も長い国だ」と指摘した。
何氏は、「高速鉄道は典型的なグリーン交通であり、1人の100キロ当たりのエネルギー消費量は8kWhにも満たない。同じ輸送量で消耗されるエネルギーは、道路や航空機の2−6分の1だ。旅客輸送に使用される面積が狭く、人口が密集した、1人平均の土地資源が少ない国や地域に特に適している。高速鉄道の駅により、新たな市街地が形成される。30分・1時間ほどの交通圏・経済圏が形成され、都市圏の効果が発揮される」と述べた。
何氏は、「中国は時速350キロの高速鉄道の技術と設備を揃えており、標準を制定し活用している。蓄積された試験・検証・運行データ、設計、プロジェクト建設、運営、メンテナンスなどの技術・管理経験は、同じ種類の高速鉄道を建設・運営する際の参考になる」と強調した。
何氏は、「運行速度が時速350キロ以上の高速鉄道を積極的に開発しているのは、世界でも数カ国のみだ。しかし車輪とレールの関係、パンタグラフの関係、流体-構造の相互作用、運営環境などの制約により、車輪・レール系の高速鉄道の最高運行速度が制限されている。合理的な速度とは、時速350キロ、380キロ、もしくはそれ以上だろうか?これは技術の実現可能性と経済的な合理性の間で、科学的に選択する必要がある」と説明した。 高速列車の脱線事故は、一国にとって深刻な災いであり、それによってもたらされる損失は計り知れない。何氏は、「脱線のメカニズムと脱線防止技術の研究をさらに強化し、重大な脱線事故を撲滅すべきだ」と警鐘を鳴らした。
中国が製造した最新の動車組(高速列車)は試験・検証の段階に入り、性能が強化されている。地震緊急警報装置を搭載し、地震波を察知・処理し、車両の運行状態をコントロールする。また衝突防止装置を取り付けており、動車組が時速36キロで衝突した場合も、運転室の避難経路が確保され、旅客エリアが損なわれることはない。