2016年五輪の卓球に関するニュースは、中国が連覇したことでも、挑戦者が出現したことでもなく、中国の卓球チームが世界に拡散したことだった。9月27日付「韓国時報」が報じた。
中国で生まれた選手が、シンガポールなど他のアジア国家、あるいは移民国家であるカナダやオーストラリアの代表になっていても珍しいとは思われないだろう。しかし彼らが着るユニフォームがスロバキアやルクセンブルクを代表するものだったら、多くの人の注目を浴びるに違いない。
選手が出生地でない国の代表になるケースは、五輪大会で珍しいことではない。ただ、具体的な種目、つまり卓球でその数の多さが際立つ。今年のリオ五輪では、卓球選手の31%が出生地以外の国の代表選手だった。
中国で生まれた卓球選手が、中国代表選手と対戦する。この現象は、卓球の王者・中国に対する敬意に等しい。中国の人材が他国に移動することは、スポーツの水準向上に貢献している。これは中国のソフトパワーを高めるものだ。
中国生まれの卓球選手を争奪する姿は、第二次大戦が終わった当時を想起させる。当時、ソ連とアメリカは競ってドイツの科学者を取り合った。もちろん、卓球は大規模殺りく兵器製造より友好的である。
ただし、中国生まれの卓球選手に打ち勝つことはできないと言っているわけではない。たとえば、スロバキア代表の汪洋選手はナイジェリアのアルナ選手に敗北している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年9月30日