中国企業がHSHノルトバンクに触角を伸ばしている。ドイツ紙『ディー・ヴェルト』は8日、中国の安邦保険や海南航空などを含む7~9社が経営難のHSHノルトバンクの買収合戦を繰り広げていると伝えた。
ロイター通信の8日の報道によると、欧州委員会は2016年、同行の株主であるハンブルクとシュレースヴィヒ=ホルシュタイン州政府に、2018年までに計85%の株式を売却するよう求めた。買い手が見つからなければ、ドイツ北部の納税者は数十ユーロの損失を被るという。金融業界関係者は、安邦保険と海南航空のほかに、米国のアポロ・グローバル・マネジメントなどの投資管理会社も買収合戦に加わると明かした。
HSHノルトバンクはハンブルクとシュレースヴィヒ=ホルシュタイン州にある地方銀行。2008年の金融危機後、世界の貿易総額は縮小し続け、リスク資産が急増した。HSHノルトバンクは3月下旬、輸送業の不良債権により、同行の貸倒引当金は20億ユーロに達したと発表した。
中国企業が欧州の銀行を買収するというニュースは最近よく耳にする。ドイツメディアは最近、海南航空がドイツ銀行の持ち株を9.92%に増やし、10%近くを保有するカタール王室と6.1%を保有するブラックロックを上回ったと伝えた。デンマークのサクソバンクも、中国の吉利集団がデンマーク最大の同行の持ち株を約30%に増やす方針だと発表している。
中国の復星集団は2016年、フランクフルトにあるドイツで最も歴史のあるプライベートバンクのハウク・ウント・アウフホイザー(H&A)を買収した。ドイツ金融監督庁は長期にわたり審査し、最終的に買収を認可した。ドイツ経済紙『ハンデルスブラット』は今年2月、中国の万達グループが欧州銀行業への投資を検討しており、ドイツのポストバンクも買収リストに入っていると伝えた。しかし、万達グループは買収計画を否定した。
『南ドイツ新聞』は、中国企業による欧州の銀行の買収速度は驚くべきものだと論じた。海南航空がドイツ銀行の最大の株主になるまで、3カ月もかかっていない。中国の投資者はこのような買収方法で欧州市場に入るチャンスを得ており、中国企業のグローバル化に必要であると同時に、西側の金融市場で基盤を築くこともできる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年5月14日