2脚の椅子、2つのマイク、2つのイヤホン、1つのディスプレイがあり、3面がガラス張りで、1台のタッチパネルがあるのが「ミニカラオケ」である。シェアリングエコノミーのブームに伴い、このようなカラオケが全国に登場し、若者の間で人気を呼んでいる。投資家は、「ミニカラオケ」は100億元規模の巨大市場になると見ている。
「ミニカラオケ」を記者も何度か体験したことがある。普通のカラオケボックスと比べると音響効果、内装、登録曲数などはやや劣るが、プライベートを楽しめる点は悪くない。1人か2人しか入れず、友人の前で恥ずかしくて自分をさらけ出せない人に合っている。登場したばかりの頃は多くの人が疑問に感じていたが、最近は週末には行列ができるほどで、この新スタイルは消費ニーズの変化をしっかりと捉えていると言える。
「ミニカラオケ」は「おひとり様経済」の1つである。近年、大都市で一人暮らしをする若者や独身者が増えており、食事、映画、ショッピングなどにおいて「1人分」の消費ニーズが高まっている。以前、「空巢青年」が話題になったが、彼らはまさに「おひとり様経済」の主力である。この市場において、シェア洗濯機は単身者にとって洗濯機を買う手間を省け、プライベートシネマは自分が見たい映画を静かに見ることができる。また、WeChatで予約できるプライベートジムもあり、トレーナーに勧誘されることも他人に体型を見られることもない。実は、北欧や日本では「おひとり様経済」が発達しており、1人用の消費ニーズが社会のあらゆる面に浸透している。日本のある有名なラーメン店では、3面に仕切りがあり器を置けるだけのスペースで食べるというのが特徴である。このような「閉ざされた環境」は、1人に慣れており、さらに1人を楽しんでいる人にとっては非常に快適である。
「ミニカラオケ」の登場は「おひとり様経済」の始まりにすぎない。インターネットの発達に伴い社交意欲が低下し、1人暮らしや独身を選ぶ人が増えており、「おひとり様経済」には大きな発展余地がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年6月29日