アサン・サニアさんは9月18日、フランス・ブリアンソンの移民臨時施設で、イタリアから山を越えてフランスに入国するまでのことについて「高い山をいくつも越えた」と語った。
アルプス山脈に位置するフランスとイタリアの国境都市ブリアンソンは、住みやすい高山としてフランス人の療養の地となっている。しかし近頃、街の静けさが打ち砕かれている。今年春になってから、毎日数十人の不法移民が国境を越えてここに入り、現在その数は数百人に達する。アサン・サニアさんもその1人である。
セネガル出身の今年16歳のアサンさんは9月15日にフランス・イタリアの国境を越えてブリアンソンに来た。2年前に両親を亡くし、里親から虐待を受けるようになり、故郷のジガンショールを出てフランスで新しい人生を探すことを決心したという。
ブリアンソン市のジェラード・フロム市長は記者に対し、「不法移民がここを通ってフランスに入る現象は約3年続いているが、今年は深刻である。まもなく開催される冬季オリンピックは徒歩で越境する不法委員にとって大きな試練であり、命を落とす人もいるだろう」と話した。
アサンさんはこれからどうしてよいかわからなくなっている。「セネガルを出たらなんとかなると思っていたが、今は思っていたより残酷な状況。警察に見つかったら強制送還されるため、外出もできない。移民臨時施設は食事と休憩のほか、何もできない。自分が思っていた生活と違う」と話した。
彼は、「最大の望みは難民の身分を取得し、フランスで学校を卒業し、お金を貯めて故郷で自分の診療所を建てること。しかし、この夢を叶えられるか、希望が持てなくなっている」と語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年9月26日