パンダは中国の国宝、絶滅が危惧される野生動物で、特殊な動物でもある。肉食動物の歯を持つのに、パンダはどうして竹を好むのか。成都パンダ繁育研究基地の研究院の張文平氏は最新の研究成果を発表し、パンダが竹を好む理由を明らかにした。
『Age-associated microbiome shows the giant panda lives on hemicelluloses, not on cellulose』(年齢別のマイクロバイオームデータで見る、パンダのセルロースではなくヘミセルロースに頼る生活)と題したこの研究結果は2月1日に学術誌『The ISME Journal』に掲載された。
成都パンダ基地の研究員はパンダの糞便を分析し、腸内菌に竹の繊維を分解する能力がないことを発見した。パンダはセルロースから必要な養分を得られないということになる。また、パンダが竹からデンプン、ヘミセルロース、ペクチンなどの養分を得ていることもわかった。
この研究はパンダが竹を主食にする理由を明らかにした。1つ目は、野外において他の食物と比べて竹は多く、取得しやすく、パンダと争って食べる動物もいない。2つ目は、他の木本植物と比べて竹には高濃度のデンプンが含まれている。3つ目は、竹は部位によって季節ごとにデンプン含有量が変化し、パンダはデンプンの多い部位を食べる。竹の中でデンプンとヘミセルロースの含有量が最も多いのはタケノコである。また、竹は生長が早く、1年に2回タケノコの季節がやってくる。タケノコが生える時期はパンダの発情・繁殖期でもあり、パンダはタケノコを優先的に食べる。タケノコに含まれるデンプンとヘミセルロースは、発情・繁殖期のパンダの体力を補い、体重を増やす効果がある。タケノコと笹がない冬、竹のデンプン含有量と溶解性糖含有量は最高値に達し、パンダは竹を食べるようになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年2月26日