ガラスは日常生活のいたるところにあり、ほぼ毎日目にするが、厚さわずか0.12ミリのガラスを見たことはあるだろうか。0.12ミリとはどのような概念か。A4印刷紙の厚さが0.095ミリ、つまりガラスは紙より少し厚いだけで、不思議なことに非常に丈夫である。
A4紙より少し厚いだけのガラス 車が時速150キロで衝突しても割れない
中国建材集団蚌埠院機能ガラス研究所の曹欣副所長率いるチームは超薄ガラスのドロップボールテストを行い、超薄ガラスの性能をテストした。
曹欣氏は55グラムの鋼球を高さ1メートルからガラスに落とした。この衝撃力は車が時速150キロで壁に衝突するのと同じだが、ガラスは無傷である。
セミの羽のように薄いのに鋼球を落としても割れないこのガラスは2018年4月にラインオフしたばかりで、厚さは0.12ミリ、フロート工法で量産したガラスの中で世界一薄い。
事務用のA4紙と比べると、A4紙2枚の厚さは0.19ミリ、超薄ガラスより0.07ミリ厚い。
曹欣氏は、「0.12ミリの範囲において、これは世界範囲で見て驚異的な成果だと思う」と話した。
超薄ガラスは超薄電子タッチガラスとも呼ばれ、電子ディスプレイ産業のコア材料で、携帯電話、パソコン、テレビのディスプレイの基礎材料である。ガラスは薄ければ薄いほど光を通し、柔らかくて強く、軽くなる。しかし薄すぎれば割れやすく、どのように薄くて丈夫なガラスにするかは世界的な課題である。
中国の技術の飛躍と革新により、超薄ガラスの国際市場価格は3分の1低下した。しかし、曹欣氏は厚さ0.12ミリにまだ満足していない。量産した0.12ミリのガラスがラインオフした時、彼はすでに0.1ミリの超薄ガラスの開発に着手していた。
1950年代末、イギリスのガラス製造企業ピルキントンはガラスのフロート成形工法の開発を世界に向けて発表し、各国が特許取得を競い合ったが、ピルキントンは中国に対して技術断絶を行った。それがもとで、当時の中国ガラス産業は、自主イノベーションの道を歩む必要があると認識した。
海外から二度と技術妨害されないようにするため、蚌埠ガラス工業研究院のチーフ科学者の彭寿氏と研究チームは30年以上模索し続け、自主的知的財産権を有する中国の超薄ガラスを開発した。
2014年6月に0.33ミリ、2016年4月に0.15ミリ、2018年4月に0.12ミリを達成し、中国産は再び世界記録を更新した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年5月16日