ミズーリ州セントルイスのどのウェブサイトにも「インフルエンザ・ホテル」は掲載されていない。このようなホテルが実在するとすれば、無料にすべきである。
ルイス大学ワクチン開発センター(インフルエンザ・ホテル)は、無料どころか宿泊客に3500ドル(出張諸経費を含む)を支払ってくれる。
客室はバスルーム、テレビ、インターネットを完備し、共有スペースには快適な椅子も設置されている。また、レストランや厨房、トレーニング器具を利用し、セントルイスのゲートウエイ・アーチの絶景を楽しむこともできる。ただ、客にインフルエンザウイルスと接触させるという点は変わっている。
どうしてインフルエンザウイルスと接触させるのか。普通のホテルとどこが違うのか。
人類の挑戦であるこの研究は、人間を不快または潜在的危害のあるものに晒すというもの。そのため、この研究は「挑戦にあふれた研究」と言われ、素晴らしいものでも楽なものでもなく、称賛の声は聞かれない。
まず、研究志望者はインフルエンザワクチンまたはプラセボ(偽ワクチン)を注射され、インフルエンザウイルスと接触する。研究者がまず実験室でインフルエンザウイルスを培養し、ウイルスを綿棒につけて志望者の鼻の穴に入れるという方法である。