ワールドカップが盛り上がる中、ザリガニや上海ガニを酒の友に選ぶ人は多い。焼く、炒める、煮る、揚げるなど様々な調理法があり、新鮮な蟹味噌と柔らかい白子は最高である。しかし米国でこのほど、カニに「指名手配」が出された。
『ワシントン・ポスト』など複数の米国メディアは、米メリーランド州アナランデルの公共事業署がこのほど、神秘的な「上海ガニ」の捕獲に協力するよう住民に要請したと伝えた。
上海ガニは中国人の好物だが、米国では嫌われ者である。現地の環境保護部門は外来種とみなし、住民に捕獲協力、捕獲地点の記録、研究センターへの報告を要請している。米国メディアは、上海ガニは侵入能力が高く洞穴を好み、ある地域に侵入すれば海洋生態系を破壊する恐れもあると報道。
上海ガニは侵入能力が高く、ほかのカニ、貝類、魚類などの生存を脅かす恐れがあり、洞穴に生息する習性は堤防の破壊や排水システムの閉塞に繋がるため、国際自然保護連合の種保存委員会に「世界100大外来種」に指定されている。
メリーランド州アナランデルの公共事業署は住民に対し、上海ガニを捕獲したら海に返さず、冷凍し写真を撮り、写真と捕獲地点をスミソニアン生態研究センターに報告するよう要請している。
上海ガニが米国で「指名手配」 中国のネットユーザーの反応
あるネットユーザーは、「タマネギとニンニクは用意できた。あとは航空券を買うだけ」と書き込み、すぐにでも食べたいという様子である。
また、「上海ガニビザを発行してはどうか」、「四川料理のシェフを連れて行ってもいいか」などの書き込みもある。 これらの冗談は、以前に上海ガニと同じ境遇にあったカキとザリガニを思い起こさせる。
2017年、デンマークの海岸でカキが大量発生し生態環境を破壊し、政府が懸念を示し、在中国デンマーク大使館はカキを食べるよう呼びかけた。
ドイツでもザリガニが災いの元となった。夏の数回の雨の後、ザリガニ「軍団」が首都のベルリンに押し寄せた。報道によると、ベルリン動物管理部門は行動をとり、公園で3000匹のザリガニを殺傷処分した。海外でザリガニ、上海ガニ、カキの侵入は現地政府と市民を困らせているが、中国の美食家にとってこれらは食卓に欠かせないグルメである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年7月3日