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japanese.china.org.cn |02. 08. 2018

夏休みで図書館が大人気、読書で夏を快適に乗り切る

タグ: 図書館 読書 夏休み

 「夏休みモード」の中、本の香りが漂う図書館は人気のスポットになっている。7月31日、記者が北京市海淀区の中国国家図書館少年児童館に問い合わせたところ、職員は毎朝9時の開館前に行列ができると明かした。


 記者が現場を訪れると、想像以上に壮観な風景だった。総面積が約1200平方メートルの少年児童館内では、1階の親子読書エリアも2階の青少年読書エリアも、夏休みの児童と保護者で満席だった。内部の固定されている200以上の座席はもとより、クッションによる300以上の臨時設置された席にも空きがなかった。それから一部の児童と保護者は地面に座り、本の世界に浸りきっていた。


図書館内は満席


子供に付き添い読書する保護者


親子が読書に集中


 公共図書館の機能をより良く発揮し、中国の青少年の日増しに拡大する知識欲を満たし、0−15歳の児童に豊富で多彩な文献情報資源と快適な学習・読書環境を提供するため、国家図書館は2008年に少年児童館を開設した。開設の当初から、ここは夏休み中の子供たちが最も行きたがる場所の一つになった。


 職員によると、同館は一年を通じ児童向けに10万冊以上の読み物と100種以上の雑誌を提供している。またデジタル資源デバイスを16台、電子タッチパネルを2台設置し、さらに電子ペーパーなど先進的な設備を提供している。夏休みに入り、同館は読者向けに「夏休みおはなし会」「京劇大教室」「科学技術体験イベント」「ボランティア司書育成計画」などのイベントを催している。子供たちに斬新な科学技術と文化の体験をもたらし、少年児童館の夏休みのサービスを豊富にしている。


子供が列を作りタッチパネルの塗り絵を体験

ボランティア司書の于博蕊さん、年子芊さん、陳曦冉さん、子供に用紙記入方法を教える


受付のボランティア司書の李若谷さん、読者の情報を確認


 これほど豊富で多彩な内容があれば、自ずと児童と保護者が集まる。館内の統計データによると、夏休み前の同館の利用者数は1日平均で延べ1400人ほどだったが、夏休みに入ると倍以上の延べ3000人に達した。そこで少年児童館は閉館時間を通常の午後5時から7時に延長し、館内の利用者数を500人前後に制限している。


 若い読者が毎日引きも切らず詰めかけるのを見ると、職員は彼らの旺盛な知識欲に喜ぶと同時に、入館制限により待たされている子供に申し訳ない気持ちになるという。職員によると、北京には他にも類似する図書館があり、子供は近くの海淀区図書館少年児童部や、西城区青少年児童図書館も利用できるという。


 記者はその後これらの図書館を取材したが、確かに国家図書館少年児童館ほどは混雑していなかった。どちらも読書エリアの規模でやや劣るが、蔵書の種類と量、読書環境、イベントの面ではまったく遜色しない。


 海淀区図書館少年児童部の林勇鴻主任によると、同館の蔵書数は3万冊で、定期的に新書と交換している。夏休みの文化教室、読書サロン、手作りなどのイベントを催しており、毎日の利用者は延べ400人ほど。北京市で唯一の独立した青少年図書館である西城区青少年児童図書館の蔵書量はその他2館を上回る70万冊にのぼる。うち紙の本は50万冊、電子書籍は20万冊。司書の劉鑫氏によると、館内で豊富で多彩な夏休みイベントを催すほか、学校や文化機関などと協力し、お絵かき、撮影、著作などのイベントを催している。さらに障害児に配慮し、読書イベントを開くことで、読書の楽しみを伝えている。

海淀区図書館少年児童部、広くはないが読書環境は快適だ


西城区青少年図書館、蔵書量は70万冊



西城区青少年図書館、明るく広々とした児童読書エリア


 改革開放後(特に近年)、素養教育の普及と掘り下げ、全国民の読書ブームにより、中国の青少年及び児童の読書が重視されている。読者数が急増し、公共図書館の需要が日増しに拡大している。そこで国は各級図書館及び文化館の建設、文化情報資源共有プログラムの実施により、全国の公共図書館の施設面の条件改善、公共文化製品の豊富化、サービス能力の向上で大きな成果を手にしている。


 国家統計局が発表したデータによると、改革開放後、全国の公共図書館数が年々増加している。1979年の全国公共図書館は1218館で、実際に使用されている建築面積は88万6000平方メートルのみだった。2017年末には2.6倍の3166館、16.6倍の1515万2700平方メートルに達した。図書館の蔵書量は1985年の1343万冊から72倍の9億6953万冊に達した。


 また情報技術の幅広い応用に伴い、公共図書館の情報化設備水準が着実に向上している。コンピュータの台数、電子読書端末数が大幅に増加している。2017年末現在、中国の公共図書館のコンピュータ数は22万1000台にのぼり、うち読者が使用できる電子読書端末は14万4300台。


 改革開放から40年に渡り、中国の図書館建設事業が急成長し、公共図書館がフルカバーをほぼ実現している。しかし人口が多く、都市化の推進が加速されていることから、中国の公共図書館の数は依然として人々、特に青少年や児童の日増しに拡大する文化の需要を満たせていない。また図書館間の資源配置のバランスが乱れており、これは今後の発展において解決すべき問題かもしれない。


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