中国のパンダ保護は金の無駄? 見返りはコストの10~27倍

中国のパンダ保護は金の無駄? 見返りはコストの10~27倍。

タグ:パンダ 巨額費用

発信時間:2018-08-07 15:00:27 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 

 「参考消息網」が8月7日に香港メディアの記事を引用して伝えたところによると、国際動物学者団体は、パンダとその生息地の保護は巨額費用を要するが、この作業で得られる経済的見返りはコストの10倍から27倍になるとの見解を示した。


 香港『南華早報』ウェブ版の4日の報道によると、これは「中国が年間2億5500万ドルを支出するのは割に合うか」をめぐる最初の定量的研究となる。中国科学院保護生物学者の魏輔文氏は、「パンダ保護のコストと効果を数値化したいと思っていた。この種の(絶滅危惧リストの)等級が下げられるとしても」と述べた。


 研究によると、2010年、中国のパンダ自然保護区が観光などのカルチャーサービス及び海外の動物園へのパンダ貸与により得た収入は7億900万ドルで、パンダ自然保護区の住民とエリア内の野生動物に良好な環境を提供し、生態系の改善により19億ドルの利益をもたらした。これら2項目の収入の合計からコスト2億5500万ドルを引くと、2010年の純収入は23億ドルになる。


 パンダは2016年9月に国際自然保護連合により「絶滅危惧 IB類」から「絶滅危惧II類」に格下げされた。本部をスイスに置く同機関が格下げしたのは、2014年までの10年間でパンダの個体群の規模が17%増加したためである。2014年の全国調査で、中国の野生パンダの数は1864頭だった。魏輔文氏は、「格下げは兆候であり、社会の投資がパンダの種の回復において効果を出したことを示す」と述べた。


 世界自然保護基金の統計によると、中国には67のパンダ保護区があり、野外パンダの約3分の2を保護している。


 同研究に参与していない北京大学動物学研究者の李晟氏は、「1つの個体群のために多額資金を投じるのは割に合わないという声もある。これは彼らが全生態系への利点、そこに多くの動物が生息していることを知らないためである。魏輔文院士の研究はこれらの効果を経済効果に数値化し、理解しやすくしたもの」と話した。


 研究によると、この上ない魅力があるため、野生動物及びその生息地の保護問題において、パンダは象徴種となっている。パンダは保護傘のような役目を果たすと見られており、これらの保護区は世界一豊富な生物多様性を有し、パンダの生息地はその他の種にも生存場所を提供している。

 

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