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japanese.china.org.cn |01. 09. 2018

国産3500立方メートル有人飛行船、2020年に初飛行へ

タグ: 有人飛行船 初飛行


   中国航空工業集団有限公司は荊門市で26日、3500立方メートル民間用有人飛行船開発プロジェクトの始動式を開いた。同飛行船は2020年の初飛行を予定しており、2021年に中国民航局の型式合格書を取得する見通しだ。

 

 同飛行船は本部を荊門に置く中国特殊飛行器研究所が自主開発する、完全に独自の知的財産権を持つ有人・無人運転新型飛行船だ。同プロジェクトは今年6月に工業・情報化部から正式に認められた。その開発は、中国民間用有人飛行船が初の「国家級」を手にしたことを意味する。

 

 同飛行船は流線型のカプセルのような外形と、X型の硬式尾翼を持つ。ポッドは風船部分の下にある。その前部は操縦室と客室で、後部は動力・燃料室となっている。ポッドの底には油圧緩衝降着装置があり、ピストンエンジン2台がポッド後部に対称的に設置される。傾動機構によりプロペラの傾斜をコントロールし推力偏向し、飛行船の垂直離着陸を実現する。有人・無人操縦、フライ・バイ・ワイヤ、総合アビオニクスといった3つの特長を持つ。

 

 有効搭載量は840キロで、定員は10人。航続時間は24時間で、最大航続距離は1000キロにのぼる。飛行高度は3050メートル。無人飛行制御システム・設備を搭載することで、有人操縦から無人操縦にスムーズに切り替えられる。地上からのリモートコントロールやプログラム制御による飛行が可能だ。必要な場合は座席などをすばやく取り外すことで、無人モデルでの搭載量や航続時間を増やすことができる。

 

 ドイツ人は100年以上前に初めて飛行船に乗った。観光業の高度発展に伴い、現代の有人飛行船はその快適な飛行体験、高い経済性と安全性といったメリットにより、特に空中旅行・観光及び過疎地への客運・貨物輸送などの業務に適している。

 

 中国特殊飛行器研究所の担当者によると、同プロジェクトは広範な市場リサーチと分析を行っている。旅行・観光、物理探査、テロ対策・治安維持、海洋観測、貨物輸送、緊急救助などで広く応用の将来性を持つ。今後10年間の市場の需要は、100機弱にのぼる見通しだ。

 

 中国航空工業集団有限公司の担当者によると、同飛行船の開発成功と使用により、 中国と海外の先進的な有人飛行船の設計・製造技術の差を効果的に縮め、中国の国際飛行機分野における中核競争力を高めることができる。中国の有人飛行船の設計・製造・運営・耐空性の技術体系を徐々に構築する。


「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年9月1日