北京市の住民は、政府が推進する大気汚染対策の恩恵を受け、ここ10年で最もきれいな空気を吸っている。フジサンケイビジネスが28日に伝えた。
北京にある米大使館の観測データによると、2008年以降で汚染レベルが最も低かった7カ月のうち、5カ月が昨年の夏以降に記録された。これは、政府が北京市とその周辺地域で石炭の使用を制限する政策を強化したのと時を同じくする。今年7月の汚染レベルはPM2.5の測定値が1立方メートル当たり平均44マイクログラムと、観測が始まった08年以降で7番目に低かった。
大気汚染の改善は、中国がどれほど迅速にこの問題に取り組んできたかを表している。中国指導部は大気汚染対策を国家の最重要課題の一つに掲げ、北方の企業や家庭が使用する燃料を石炭から天然ガスへ切り替えさせた。
米シンクタンク、エネルギー経済・財務分析研究所のティム・バックリー氏(シドニー在勤)は「中国は青空を取り戻すという極めて明快な誓いを立てた。政府はこの約束を果たすため、絶えず新たな規制や政策を導入している」と述べた。
中国の急速な工業化とそれに伴う自然環境の悪化は、西洋諸国がかつてたどった道だ。だが、中国国家発展改革委員会エネルギー研究所の姜克隽氏は、浄化の速度は過去を上回る可能性があると話す。「私たちの技術は19世紀の英ロンドンより進んでいる。中国はより迅速に大気汚染を抑制するだろう」
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年9月30日