英誌『Nature Communications』が16日に発表した環境化学報告によると、海面上昇により、地中海地域にあるユネスコ世界遺産登録地(ベネツィア、ピサのドゥオモ広場、ロードス島の中世都市)が海岸侵食と洪水の脅威にさらされている。
地中海地域には多くの世界遺産があり、中でも沿海地区に多い。
ドイツ・キール大学のライナー・レーマン氏らからなる研究チームは模型と世界遺産のデータを合わせ、リスク指数にまとめた。同指数は地中海地域の沿海にある49カ所の世界遺産を対象に、今世紀末までの海面上昇がもたらす洪水と海岸侵食の脅威をまとめたもの。
研究チームは、37カ所の世界遺産が100年に一度の洪水に遭い(1年間の発生率1%を洪水とみなす)、42カ所が海岸侵食の脅威に直面するとの結論を出した。2100年には、地中海地域全域で洪水と海岸侵食が発生する確率はそれぞれ50%と13%に上昇すると見られる。チュニジアのチュニス旧市街、トルコのレトーンとクサントス遺跡の2カ所を除き、同地域のすべての世界遺産が危険にさらされるという。
研究報告は、相応の計画制定が必要な地域を挙げた。科学者らは、これらの世界遺産がランドマークであることを考慮し、公衆の気候変動に対する意識の向上に生かすことを提案した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年10月17日