太平洋のごみ回収パイプが、正式に稼働開始した。全長約609メートルのゴミ回収パイプが16日、予定の海域に到達し、太平洋のプラスチックごみの「吸収」を開始し、リサイクルを行った。CNNが伝えた。
この「ゴミ回収パイプ」は60の部品で作られる。見た目は巨大なU字管だ。パイプの下は深さ3メートルの網で、水中に潜り込み海面に漂うプラスチックごみを集める。船が一定期間ごとにU字管に接近し、集めたごみを陸に運び循環処理する。このパイプの最重要任務は、悪名高い「太平洋ごみベルト」、すなわちサンフランシスコとハワイの間の広範な海洋ごみの処理だ。その面積は米テキサス州の2倍で、世界の5カ所の海洋ごみのうち最大となっている。
この大型装置はオランダの24歳の若者、ボイヤン・スラット氏によって発明された。数年前に大量の海洋ごみとそれによる危害を知ると、スラット氏にこのアイデアが生まれた。スラット氏はその後、非営利組織「The Ocean Cleanup」を立ち上げた。2013年に清掃計画を発表すると、同組織はクラウドファンドで200万ドルの資金を集めた。同組織には現在、70人以上の技術者と研究者が在籍しており、合計で3000ドル以上の資金を集めている。270回以上の模型テスト、6回の海上テストを踏まえた上で、同組織は先月上旬にサンフランシスコでこのパイプを製造し、海に輸送した。
同組織は2019年4月までに50トン以上の海洋ごみを収集し、2040年までに世界の90%の海洋プラスチックを取り除く予定だ。海洋環境保護者は、このパイプに自信を深めている。しかし一部の専門家は、同装置の効率があまりにも低く、最初からごみの海への排出を防止する方が効率的としている。またこのパイプが海洋生物を傷つけ、ごみとして回収することを懸念する人もいる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年10月20日