「アジアの顔」が北米の観客を引きつける
2018年、北米に「現象」をもたらした映画『摘金奇緣(クレイジー・リッチ!)』は米国のワーナーブラザーズが配給し、中国の星光文化娯楽集団が投資したほか、中華系の朱浩偉氏も監督契約を結んだ。同作は「中国要素」にあふれ、中華系作家の関凱文の華人の生活を描いた小説を改編し、中華系監督がメガホンをとり、楊紫瓊ら中華系の役者が出演。
アジア系の役者をメインキャストに迎えた『摘金奇緣』の制作費はわずか3000万ドルだが、世界興行収入は2億3800万ドルを超え、北米だけで1億7400万ドルに達した。北米の観客評価もAクラスで、最初の週末の観客の41%が白人、38%以上がアジア系だった。
米国メディアは、『摘金奇緣』は、アジア文化も米国の主流社会を引き込め、ハリウッドが今後アジアを題材にした映画を意欲的に制作できることを証明したと論評。また、アジア文化に対する興味は今後の中米の映画分野における協力の幅を広げた。
米調査会社コムスコアの映画専門家ポール・ダーガラベディアン氏は新華社に対し、「中国要素」を含む映画が2018年の北米で最も成功した作品に入ったのは、東洋と西洋の映画制作者が共に努力した結果だと話した。東西の文化を融合させ、感動的なストーリーと国際的なテーマで文化背景の異なる観客を引き込んだことが結果につながったという。
ハリウッドも「中国のよいストーリー」を伝えられる
壮大化する中国市場はハリウッドの中国に対する態度を変えている。中国と関係が密接になる中で、ハリウッドも中国に対する認識を深め、ハリウッドの一部の企業と関係者は積極的かつ前向きな姿勢で中国、中米関係を見るようになっている。彼らの作品にもそのような姿勢が表れている。
2018年、北米で2作品のドキュメンタリーが多くの人の心に残った。一般人の中米関係に対する見方を扱った合作ドキュメンタリーの『善良的天使』と南京大虐殺の生存者の生活を記録した『女孩与影像』である。2作とも監督はオスカー賞受賞者であり、西洋の観客の心理を熟知し、作品は影響力と説得力が強く、中米映画界の交流の成功の手本と言える。
中米映画交流の深化はハリウッドの中国に対する理解を深めるだけでなく、中国の映画人材の育成と向上にもつながる。ウォルトディズニー(中国)総経理の徐隆立氏は新華社に対し、「ディズニーは中国本土の人材に扉を切り開き、最高の中国のストーリーを世界の舞台に持って行くことに力を入れている」と述べた。ディズニーは『ムーラン』実写版を制作しており、「自立した中国人女性のイメージを世界に伝えたい」と話した。
『善良的天使』制作者のウィリアム・マンデル氏は、「中国の数十年の発展により、米国の観客は中国に興味を持つようになった。これは中国要素を含む映画が米国で成功した主な理由である。中国映画界も自分の道を歩むに違いない」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年1月16日