2015年11月20日、空軍軍医大学西京医院の専門家チームは中国初の人の子宮移植手術を行い、母親の子宮を娘の楊華さん(仮名)に移植した。
2019年1月20日18時19分、産声が響き渡り、母親の子宮を移植した楊華さんは西京医院で男の子を出産した。中国で最初、世界で14人目の移植した子宮で育ち生まれた赤ちゃんとなる。母親が22歳の娘に子宮を提供した。
2015年、22歳の楊華さんは生理がこないため西京医院の産婦人科に診察に訪れた。同年齢の女の子よりやや遅いだけだと思っていたが、超音波検査を行い、楊華さんは「生まれつき子宮がない」という辛い結果を聞かされた。医師は、子宮移植で妊娠は可能だとアドバイス。「娘が幸せな人生を送れるなら、自分の命を犠牲にしてもいい」。娘を助けられることを知った母親は自分の子宮を娘に提供することを決意した。移植が決まり、楊華さんは結婚した。
器官移植分野において、子宮は骨盤腔の奥にあり血管が細いため、術中の血管を切り取り縫合する作業は困難を極め、拒絶反応も強く、世界の医学界で課題となっている。子宮手術は世界でも数例しかない。
子宮移植前の2015年8月1日、専門家チームは楊華さんの採卵手術を行い、生殖補助技術を使って14個の胚胎を形成し冷凍保存し、妊娠できるようにした。倫理委員会の認可を経て、2015年11月20日、西京医院産婦人科など11の学科、38人の専門家が連携し、楊華さんと母親の手術を同時に行った。14時間に及んだ手術は成功した。
冷凍した胚胎を子宮に挿入
2018年6月13日、産婦人科の王西林教授はリアルタイム超音波検査を行い、超音波の「並外れた眼力」のもとで黄艶紅教授は冷凍した胚胎をゆっくりと子宮に挿入した。14日後、胚胎が着床し、楊華さんは妊娠した。5回目の挑戦だった。妊娠初期につわりや切迫流産などの症状があり、中後期には胎児の成長が制限され、4回入院して胎児を守るための治療などを受けた。
陳必良教授によると、中国の妊娠適齢期の女性で子宮に問題があり妊娠できない人は約100万人いる。生まれつき子宮・膣のない女児は3~5万人いる。一連の革新的な技術により、中国で初めて移植した子宮で育った赤ちゃんが誕生し、これは子宮の問題を抱える女性に希望を与えた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年1月25日