電気自動車で帰省することは春運において多くの人の「新たな挑戦」になり、渋滞する高速道路で動かなくなった電気自動車を見かけることも少なくない。
このような悲劇は今後も後を絶たないだろう。全国空間探測技術のチーフ科学普及専門家の龐之浩氏は13日、『科学日報』の記者に対し、中国が宇宙太陽光発電所を建設すれば、電気自動車をいつでもどこでも充電でき、「バッテリー切れ」に悩むことはなくなると話す。
当然、宇宙太陽光発電所の応用はそれだけではない。その役割はどれほどなのか、生活に取り入れられるまでどれほどかかるのかについて龐之浩氏は以下のように紹介した。
尽きることのないクリーンエネルギー
太陽エネルギーの利用は早くに普及しているが、太陽エネルギーの地上での利用率は高くなく、大気の吸収と散乱、および雲や雨、季節、昼夜の入れ替わりの影響により衰退している。また、エネルギー密度の変化が大きく、非常に不安定である。
宇宙には十分な太陽エネルギーがある。高度約3万6000キロの静止軌道に太陽光発電所を建設すれば、太陽光線が大気によって弱まることはなく、季節や昼夜の変化の影響も受けず、99%の時間において太陽放射を安定して受けることができ、その強度も地上の6倍以上になる。宇宙から地上の決まった場所にエネルギーを伝送すれば、人類に尽きることのないクリーンエネルギーを提供できる。
また、宇宙太陽光発電所は「可視」範囲内の宇宙機にも電力を供給し、宇宙機から巨大な太陽電池翼をなくし、効率と制御精度を大幅に高めることもできる。また、深宇宙探測エネルギーシステムの選択肢として、将来的に宇宙燃料生産および宇宙加工製造に生かし、宇宙工業の発展も実現できる。
そのほか、宇宙太陽光発電所は従来のエネルギーがもたらした「混乱」も収拾することが可能。石化エネルギーの利用により地球の気温が上昇し、台風や竜巻などの気象が頻繁に発生するようになった。宇宙太陽光発電所の巨大なエネルギーを台風のある場所に伝送すれば、台風の温度の分布を変え、形成過程を破壊できる。