米紙『ワシントンポスト』は2月20日、「中国の紫禁城が94年で初めて夜間に一般公開」という見出しの記事を掲載した。紫禁城は夜間に皇帝、「幽霊」、宮廷を訪れた貴人以外が立ち入ることを禁止していたが、今週火曜日(亥年の元宵節)の夕暮れ時、中国の春節イベントの終了に伴い、同建築群が提灯と照明によって照らされた。紫禁城が94年前に故宮博物院になってから夜間に一般開放されるのは初めてである。
しかし、中国の約14億人の人口のうち多くの人がテレビや故宮の裏にある公園の丘からその様子を眺めるしかなく、当日晩に中に入ることができたのは3000人だけだった。うち2500人が労働模範、配達員、清掃作業員、武装警察、在中国使節などの招待客、500人がインターネットで予約した観衆。翌日(旧暦1月16日)晩はインターネットで予約した観衆向けに開放された。あるミニブログユーザーは、「この3000人は素晴らしい1年を過ごせることだろう」と書き込んだ。これらの無料チケットは数分でなくなり、サイトは訪問者が多すぎたためダウンする事態にまでなった。その直後、無料チケットがダフ屋によって9999元でネット販売された。
故宮は中国で最も人気がある観光地の1つである。故宮は多くの観光客を引きつけるイベントを行っており、担当者は「公衆がより簡単に伝統文化に触れられるようにしたい」と話す。現在、故宮の80%が一般開放され、2012年の30%より大幅に拡大した。2020年の故宮設立600周年には開放エリアを85%に拡大する計画。
多くの国で博物館の夜間参観は新鮮なことではないが、このアイデアは600年の歴史を有する故宮を若がらせ、伝統文化をより身近なものにした。中国のテレビ局は故宮の文物修復士の仕事、収蔵品、中国の社会発展に役立つドキュメンタリーも放送している。中国文物学会の会員の劉錚氏は、「故宮博物院の成功はほかの博物館の手本になり、収蔵品をどのように一般に共感してもらい、多くの人に文化と歴史を知ってもらうかを学ぶことができる」と話す。あるミニブログユーザーは、「故宮の夜間開放が話題になったことは、中国の庶民の博物館夜間開放および夜間経済に対する情熱を意味する」と書き込んだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年2月21日