荷物を待ち、荷物を受け取り、荷物を送る。多くの都市部住民にとって、宅配員はほぼ毎日顔を見るが、あまり良く知らない他人になっている。
中国の宅配取扱量は昨年500億件を上回り世界一になった。宅配員の人数も300万人以上に達している。宅配員の勤務・生活状況はどのようになっているのだろうか。どれぐらい稼いでいるのだろうか。国家郵政局はこのほど全国31省の宅配員6000人の基本状況を調査し、彼らの実像を浮かび上がらせた。
宅配員、若い世代が中心に
――「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)期間中、宅配員の毎日の勤務時間は平均14時間前後で、宅配員の8割以上が毎日200件以上の荷物を送った
80年代生まれの李さんは宅配業界で数年勤務している。自分の仕事について、「毎朝6時10分に起きて、6時40分に会社に到着し、夜8時半に梱包を終えて退勤する。昼の休憩時間が10分ほどで、祝祭日も通常通り勤務する。仕事時間が長く、仕事の量が多く辛い」と話した。
国家郵政局の調査によると、宅配員のうち80・90年代生まれの若い世代が中心になっている。彼らは全体的に若年化しているが、これは現場の作業量が多いためだ。
李さんは通常、1日で160−170件の宅配便を届ける。「ダブル11」などの最盛期であれば、その量は2−3倍に増える。
李さんのような宅配員は珍しくない。国家郵政局の調査によると、「ダブル11」期間中、宅配員の1日の作業時間は平均14時間前後で、最高19時間にのぼる。宅配員の8割以上が毎日200件以上の荷物を送る。
現場の作業量が多くなっていることから、各地は近年になりスマート宅配キャビネットなど新たな配送方法を試みているが、そのカバー範囲および設計にはまだ改善の余地が残されている。李さんが担当する区域は現在も自宅までの配送が中心的だ。「スマート宅配キャビネットは多くなったが、荷物が多い時は満杯になっており、サイズが合わなければ入れられず、自宅まで一つずつ届けるしかない」
激務である他に、交通ツールなどの要因により直射日光と風にさらされることが不可避だ。調査によると、電気三輪車が宅配員の主な交通ツールで、代替品は今のところ見つからない。1級都市のうち、広州市と北京市の電気三輪車の使用率が高く、前者が87.2%、後者が84.42%にのぼる。上海市は電気自転車が中心で、使用率が70%にのぼる。
北京で長年働いている苗さんは「宅配業は肉体労働だ。冬の最も寒い時でも三輪車を運転し外を走り回らなければならない。ダブル11で忙しい時は食事の時間もなく、人が少ない間に急いで口にする。雨や雪でも通常通り届け、さらに濡れて壊れることを防ぐ措置を講じなければならない」と述べた。