フランス航空事故調査局は16日、エチオピア航空旅客機事故のブラックボックスからデータをエクスポートし、エチオピアの調査員に引き渡したと発表した。
また同日、エチオピアの官僚は犠牲者の身元確認を急ぐと述べた。
急上昇
フランス航空事故調査局は、コックピットのボイスレコーダーのデータをエクスポートし、17日にもう1つのブラックボックス、フライトデータレコーダーの解析に入ると発表した。
同機関はツイッターで画像を公開。コックピットのボイスレコーダーは衝突の跡があるものの、完全な状態である。
声明は、同機関はボイスレコーダーの内容を聞いていないとした。
ボイスレコーダーを聞いたエチオピアの関係者はロイター通信に対し、事故機のパイロットは離陸直後に地上管制センターに制御の不具合を報告し、標高4200メートル以上、すなわち空港の上空約2000メートルまで急上昇することを許可してほしいと話していると明かした。
同関係者によると、旅客機はその後に「尋常でない」高速で飛行し、上昇後にパイロットは緊急に空港に引き返すことを要求し、最終的に旅客機はレーダー画面から消えた。
事故調査は終わっていないため、この関係者は名前を明かさなかったが、旅客機の制御不具合によりパイロットは航空機を急上昇させたと話している。
エチオピア航空のボーイング737マックス8型旅客機は10日、首都アディスアベバからケニアの首都ナイロビに向かって飛行し、離陸から約6分後に事故を起こし、乗客149人と乗員8人の全員が犠牲になった。調査員は11日、2つのブラックBOXを見つけ、フランスに輸送した。
航空専門家は、飛行高度が低い時に問題に遭遇した場合、パイロットは航空機を上昇させて操縦時間を稼ぎ、同時に複雑な地形を避けると話す。アディスアベバは山に囲まれており、北側に標高約3200メートルのエントト山がある。