香港両依蔵博物館は18日、「菊と龍:17世~19世紀の中日東方芸術」展を開催し、日本の工芸品180点あまりを展示した。日本の江戸から昭和にかけての多くの貴重な矢立と煙管が香港で初めて展示された。
展示会は日本の矢立筆記文化と煙管、中国の文房具、欧州の喫煙器具などに分けて展示。両依蔵博物館の行政補佐官の林柏成氏によると、これらの中日の文房具は両国の工芸の繁栄と文化交流を示し、当時の社会が芸術と工業品の生産に与えた決定的な影響を考えさせられる。
矢立は当時の日本で使用されていた主な筆記用具で、筆と硯を長い箙の中に入れていた。銅で作られ、彫刻や金属工芸が施された。
展示品は長さ19.4センチ、竹製の大正時代の矢立。竹製の矢立は「印籠」の形をしており、筆と墨汁を携帯していた。この矢立は自然なスタイルで日本伝統の「素朴」という美学を表している。
もう1つの注目の展示品は、大正時代の紫檀重箱。伝統的な形の重箱は貴重な紫檀を使用し、唐代詩人の李白の詩作『峨眉山月歌』と日本の文人が書いた1921年の文字が青漆で描かれている。
たばこは16世紀にポルトガルから日本に伝わり、日本に独特な喫煙文化を形成し、各種の喫煙器具が誕生した。展示された明治時代のたばこ盆型ケースは非常に精巧にできている。たばこ盆を模したケースの上部に鳥かご型の蓋がついており、中のヒンジで引き出しの中の筆や工具を固定できる。
展示会は3月18日から8月15日まで開催され、日本の工芸品のほかに同館が収蔵する明清時期の家具も展示される。
両依蔵博物館は香港の大型私営博物館で、明清時期の骨董家具、欧州のジュエリーボックス、銀器を収蔵することで業界内で知られている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年3月19日