電波望遠鏡の宇宙設置構想 ブラックホールの解像度向上を目指す

電波望遠鏡の宇宙設置構想 ブラックホールの解像度向上を目指す。

タグ:電波望遠鏡 ブラックホール

発信時間:2019-05-09 14:14:29 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 ブラックホールの写真は科学技術ブームを引き起こしたが、多くの人があの写真ではよくわからなかったのではないだろうか。オランダのラドバウド大学や欧州宇宙機関などの機関の専門家はこのほど、「電波望遠鏡を宇宙に持って行き、ブラックホールの写真の解像度を大幅に上げる」という新プランを打ち出した。

 

 研究員は学術誌『アストロノミー・アンド・アストロフィジックス』に、地球の軌道に2~3台の電波望遠鏡を設置し、宇宙の超長基線電波干渉法(SVLBI)を通してイベント・ホライズン・イメージャー(EHI)を形成する。EHIが撮影するブラックホールの解像度は地球上のイベント・ホライズン・ テレスコープ(EHT)の5倍で、EHTに撮影できない小さなブラックホールも撮影できる。

 

 周知の通り、EHTはチリ、南極、米国などの8台の電波望遠鏡からなり、将来は11台に増加する。4月11日、EHT機関はグローバル記者会見を開き、人類史上初となるブラックホールの写真を公開した。

 

 天文物理学者のヘイノ・ファルケ氏は、EHTはほぼ完璧な画像を撮影し、ブラックホールの細部を知ることができると話した。画像とアインシュタインの相対性理論 に差があった場合、それを発見することができる。

 

 ラドバウド大学の天文物理学博士のフリック・ルロフス氏は、「衛星上の電波望遠鏡は地上のものよりメリットがある。宇宙において、より高周波の無線電波で観測でき、大気に遮られることもない。そのほか、衛星同士の距離が遠く、望遠鏡の口径をさらに大きくできる」と述べた。

 

 またルロフス氏は、科学的視点で言えば、EHTに期待できるが、技術的にはまだ克服しなければいけない課題が多くあると話した。

 

 ラドバウド大学と欧州宇宙機関の研究員は同プロジェクトの技術的実現可能性を論証した。ラドバウド大学無線電波実験室の研究員のクドリャショーフ氏はEHIが直面する技術課題について以下の2点を挙げた。1つは、衛星の位置と速度の高い測量精度が求められること。もう1つは、衛星はレーザー通信でデータをやり取りし、データが地球に送られ分析する前に衛星上で前期処理を行う必要があること。しかしクドリャショーフ氏は「このプロジェクトは可能だ」と確信している。

 

 ファルケ氏は、研究チームが混合システム、すなわち宇宙望遠鏡と地球上の望遠鏡を組み合わせることを検討していると明かし、「このような混合システムはブラックホールが動く様子を撮影でき、より多くの小さなものまで観察できる可能性がある」と述べた。


「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年5月9日


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