中国科学院高エネルギー物理研究所が明かした情報によると、中日両国が協力するチベットAS gamma実験チームはこのほど、中国のチベット自治区羊八井のAS gamma実験所で、観測史上最も高いエネルギーの宇宙ガンマ線を検出した。これらのガンマ線はかに星雲から飛来したもので、これまでに世界で発表された最高エネルギーの5倍以上である。関連の観測結果は7月下旬に国際学術誌『フィジカル・レビュー・レターズ』に掲載される。
かに星雲は牡牛座の有名な超新星爆発の残骸で、地球から約6500光年の場所にあり、1054年に中国宋朝の天文学者はこの超新星の爆発現象を詳しく記録している。中日合同実験チームは24の高エネルギー・ガンマ線を発見し、研究者は、かに星雲は「銀河系にある天然の高エネルギー粒子加速器」であり、世界最大の人工電子加速器と比べて電子加速能力は1万倍以上になると推測。
チベット自治区羊八井のAS gamma実験所は標高4300メートルの位置にあり、1990年に第1期が完成し運営を開始。その後、幾度ものアップグレード改造を行い、銀河系宇宙線の観測研究において一連の重大な発見をしている。同実験は中国科学院高エネルギー物理研究所と日本の東京大学宇宙線研究所が共同で実施する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年7月4日