中国の近視者は4.5億人 社会経済コスト6800億元もたらす

中国の近視者は4.5億人 社会経済コスト6800億元もたらす。

タグ:近視者 遠見視力欠陥

発信時間:2019-07-07 09:00:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

  2015年版『国民視覚研究報告』の発表から4年が経ち、同書の編集長で北京大学国家発展研究院教授の李玲氏は、「国は現在、児童・青少年の近視予防を大いに重視しているが、児童・青少年に近視が多いという状況に大きな変化はない」と率直に述べた。


 同報告によると、2012年の中国の5歳以上の人口のうち、各種の遠見視力欠陥を持つ患者は約5億人、うち近視は約4億5000万人だった。中国の3人に1人が近視ということになる。有効的な政策を講じなければ、2020年に中国の5歳以上人口の近視率は約51%に上昇し、患者数は7億人に達する見通し。


 国家衛生健康委員会が2019年4月に開いた記者会見で発表された2018年の中国の児童・青少年の近視調査の結果によると、児童・青少年の近視率は53.6%、小学生は1年生の5.7%から6年生には59.0%に上昇している。高校3年生の高度な近視(近視度数600度以上)は近視の総数の21.9%を占める。


 中国医師協会眼科分会会長で北京同仁医院眼科センター主任の王寧利氏は、集団的な予防が必要だと強調する。


 同プロジェクトの研究員である魏士飛博士によると、小学1年生から6年生までの近視率は5.8%,11.9%,23.3%,36.0%,47.9%,59.1%であることが研究でわかっている。さらに驚くことに、小学2年生から近視率が年間10%の速さで増加し、6年生では60%に迫っている。小学段階は近視になりやすい年齢で、早期予防が極めて重要だという。


 李玲氏は、「この問題は非常に深刻で、視力損傷はGDPの損失に繋がり、さらには国家安全にも害が及ぶ。現在の近視率はこれほど高く、国防や精密機器などの多くの職業は将来、人材が見つからない可能性もある。中国は近年、徴兵の視力基準を毎年緩和しているが、それでも人が見つからない」と述べた。


 当時の『国民視覚研究報告』は、2012年、各種の視力欠陥がもたらす社会経済コストは6800億元以上で、同年のGDPに占める比率は1.3%に達すると予想。視力が生命の質に与える影響も考慮すると、GDPに占める比率は1.83%になる。


 李玲氏によると、高度な近視は眼底の病変、さらには失明する危険もある。「この問題は高血圧や糖尿病より深刻である。その範囲は広く、危害は大きく、現在の情報化社会では特にそうだが、研究とデータがなかった過去には明確でなかった」と述べた。


 現在、これは大きくて解決が難しい問題になっている。


 比較研究を通し、彼らは近視の最大の要因が学業の負担であることに気づいた。読書・学習の持続時間が長く、室外活動が少ないことは児童の近視をもたらしている。そのため、2015年から彼らは、児童の毎日の授業の合間と昼休みの屋外活動の時間を80分、40分、活動なしの3組に分けて比較した。3年後、80分組の児童の近視状況は40分組より大幅に良好で、活動なしの組よりさらに優れていた。


 専門家は、保護するは児童の目だけでなく、伝統的な教育理念も改める必要があると考える。近視予防のペインポイントは詰め込み教育にある。「体から肉を切り取られたら痛い。そのようなことは誰も望まず、それが勉強のストレスになる」と話す。


 眼科の仕事に就く人は10万人に達したが、末端の眼科医師と初期段階の眼科保健専門家の不足、東中西部の眼科機関の不均衡な発展は近視予防を妨げている。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年7月7日

 

TwitterFacebookを加えれば、チャイナネットと交流することができます。
中国網アプリをダウンロード

日本人フルタイムスタッフ募集    中国人編集者募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで