近年、「加熱式の燃やさないたばこ」や「電子ニコチン送達装置」などの伝統的なたばこを模した電子製品が世界を風靡している。これらの「新型のたばこ」はより「クリーン」とされ、禁煙サポート用品や伝統的なたばこに代わる低リスクの商品として売られている。
しかし、世界保健機関(WHO)が発表した『2019年世界のたばこの流行に関する報告』は上述の商品がもたらす健康リスクに言及し、関連企業の宣伝に惑わされないよう促し、各国政府に監督管理の強化、これらの商品の公共への危害の防止を呼びかけた。
「加熱式の燃やさないたばこ」は新型のたばこ製品であり、燃やさずに充電式の加熱装置でたばこを約350度(伝統的な燃やすたばこは600度を超える)まで加熱し、ニコチンやその他の化学物質を含む煙を発生させて吸う。これらの商品にはニコチンなどの依存性のある物質だけでなく、加香剤などの成分も含まれている。
一部のたばこ企業は、伝統的なたばこと比べて、「加熱式の燃やさないたばこ」は有害化学物質の発生を大幅に削減し、より安全だとうたっている。しかし、WHOの報告は、「加熱式の燃やさないたばこ」が発生させる有害物質は伝統的なたばこと似ており、水準が比較的低いだけだとした。また、このような新型のたばこは伝統的なたばこにない有害化学物質も発生する可能性があると指摘。
報告によると、「加熱式の燃やさないたばこ」の危害は伝統的なたばこより小さいことを示す証拠はなく、このような商品を使用すれば、もともと喫煙していなかった人も依存する可能性がある。さらに、このような商品もたばこに属し、伝統的なたばこから「加熱式の燃やさないたばこ」に変えても禁煙にはならない。