イギリスのネイチャー誌はこのほど、砂と石の採掘速度が自然回復の速度を上回るとの文章を掲載した。採掘を持続不可能にする原因は、気がつくべき所に気がつかなかったためだという。世界自然保護基金(WWF)と国連環境計画(UNEP)の報告は、「砂に重い足跡がついた」とし、行動と法規を実施する必要があると示した。
近く需要が供給を超える可能性
多くの人が砂が不足することを信じていない。砂漠は地球の陸地面積の20%を占めるためである。しかし残念なことに、砂漠の砂はなめらかなため使用できない。産業用に適しているのは角のある沙で、その多くが地球の面積の1%にも満たない川でとれる。
砂と石は採掘量が最も多い原料の1つで、化石燃料より多い。需要の大幅増の原因は、都市化と世界の人口増加である。世界で使用する砂の量は年間約320~500億トンで、主にセメント、ガラス、電子機器に使用される。
最新の研究で、この使用量は自然の再生率を上回ると分析された。そのため、今世紀中頃には需要が供給を超える可能性がある。
長期にわたり、世界の砂の採掘量の推定は信頼できず、低すぎると見られている。2019年初め、研究者は443本の砂採掘に関する論文を検索し、うち28本が採掘量を表記し、長期的かつ全流域の堆積層を調査したものは少ないことがわかった。
当然、技術の面で言えば、砂の移動または川での堆積を推定することは難しく、多くの川が複数の国を経由しているため、統計をとることは容易ではない。
監督管理と統計システムの構築が必要