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japanese.china.org.cn |16. 09. 2019

パキスタンでハイブリッド稲技術を伝授する中国人専門家

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(国际·图文互动)(1)通讯:达则兼济天下——记在巴基斯坦教授杂交水稻技术的中国专家

   麦わら帽子をかぶり作業着を着て、ズボンの裾を膝までまくり、裸足で田んぼの中で身をかがめて田植えをする。

 

   パキスタン東部のパンジャーブ地方ラホール南の西郊外にあるハイブリッド稲試験田で、中国の湖南省から来た農業専門家の龍春久氏はパキスタンの農民と技術者とともにハイブリッド稲の試験栽培を行っている。

 

   龍春久氏は、「私たちが来る前、パキスタンのハイブリッド稲の栽培は中国の1950~60年代と同じレベルで、深く考えずに種をまき、管理もいい加減だった」と話す。

 

   龍春久氏はパキスタンで作業をして10年目になる。1999年、龍春久氏が所属する袁隆平農業ハイテク股フェン有限公司(略称:隆平ハイテク)はパキスタン側と提携を開始した。

 

   最初のハイブリッド稲の試験、普及、現地化から現在は品種開発を行うようになり、2016年末に隆平ハイテクはパキスタンに隆平南アジア種子研究開発センター・パキスタン育種ステーションを登録・設立した。

 

   龍春久氏は、「農業科学研究に携わる者は部屋の中で大口を叩くのではなく、田んぼに行って試験をし、長期的に観察、記録し、種子の育成に取り組む必要がある。私は4~5人のパキスタンの研究生に手を取って教え、100人以上の学生に授業もした」と述べた。

 

   パキスタンの有名農業学校であるファイサラーバード農業大学を卒業したワシム・バヒドさんは龍春久氏の学生で、育種ステーションの助手研究員をし、龍春久氏とともに試験田で日々困難に立ち向かっている。バヒドさんは、「パキスタンの伝統の稲の1エーカーあたり生産量は2万トンにもならない。ハイブリッド稲の使用と栽培技術の改良後、生産量は4トン以上になる」と述べた。

 

   バヒドさんによると、今年2月22日、育種ステーションが育成した「隆平205」がパキスタン種子認証機関に登録され、「隆平18」も商用化段階に入った。

 

   龍春久氏は、「我々はパキスタンに最もコアとなる農業科学技術をもたらし、育成したハイブリッド稲の種はパキスタンの輸出による外貨獲得を後押し、現地の作付けや食糧不足などの問題も解決する。隆平ハイテクが育成したハイブリッド稲を選ぶパキスタンの農民は増えている」と述べた。

 

   バヒドさんは、パキスタンの乾季は乾燥し暑く、隆平ハイテクがパキスタンで開発したハイブリッド稲回復系選抜育種材料は干ばつとアルカリ性に強く、50度の高温にも耐えることができ、コストも安く効果的だと話した。

 

   バヒドさんによると、隆平ハイテクの専門家のサポートのもと、2018年5月にガード社は第三国のフィリピンに現地生産したハイブリッド稲の種50トンを輸出した。パキスタンで初めてとなる。

 

   正午は日差しが強く、龍春久氏は試験田で腰を曲げて技術を教え、汗が日焼けした頰を辿って流れる。

 

   記者は試験田で現地のハイブリッド香り米も目にした。この香り米はパキスタン人に好まれる主食である。龍春久氏によると、育種ステーションは現地の稲の品種を収集して交配による選抜育種を行い、育種資源を豊富にしただけでなく、ハイブリッド香り米の遺伝子基礎を構築し、隆平ハイテクの科学研究レベルも引き上げた。

 

   龍春久氏は炎天下の田んぼに立ち、「窮すれば則ち独り其の身を善くし、達すれば則ち兼ねて天下を善くす。この技術があれば、パキスタンに豊富なハイブリッド稲の品種を作り、多くの人を満腹にさせることができる。これこそが私の望み」だと話した。


「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年9月16日


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