夜が深まるにつれ、人気の観光スポットである北京市の南鑼鼓巷は灯りがともり、賑わう。人混みの中には様々な肌の色をした人がいるが、コードスキャン、現金、カード決済などの買い物時の支払いから、彼らが中国に来て長いか短いかがわかる。
これまで、短期滞在の外国人旅行者は中国のキャッシュカードや携帯電話番号などがなく、中国のモバイル決済に登録できなかった。しかし最近は、支付宝やWeChatPayで海外のキャッシュカードを利用でき、中国でのモバイル決済の利用が便利になり、短期滞在の外国人旅行者も「1つのコード」で中国を周遊できるようになった。
イタリア出身のアレッサさんは、「現金とクレジットカードは中国で問題なく使用できるが、同行した中国の友人と比べて、釣り銭をもらったりサインをしたりする必要があり、半テンポ遅い」と話す。現地の人と同じようにコード決済をすることも、彼女が中国で体験してみたいことだという。
多くの短期滞在者もアレッサさんと同じようなことを感じている。このほど、海外のSNSで面白い調査が行われ、外国のネットユーザーの約20%が「中国人のようにモバイル決済を利用できないこと」が中国観光での最大の悩みだと回答した。
文化観光部の統計によると、2018年の訪中旅行者は延べ1万4120人、うち外国人旅行者は3000万人を超え、前年比4.7%増加した。このとてつもなく大きいグループのモバイル決済ニーズを軽くみてはいけない。また、多くの業界関係者が、インバウンドというこの潜在力が巨大な市場を促進し、決済を含む各サービスも絶えず改善する必要があるとの考えを示している。
また、中国国内の状況を見ると、中国のモバイル決済は中国を訪れた多くの外国人に確実に支持されている。米国出身のフランチェスカさんは、「2人の中国のルームメイトから勧められ、中国に来てすぐにモバイル決済の手続きをした。携帯電話でなんでもスキャンでき、速くて使いやすい」と話す。
モバイル決済が障害を突破
10月30日、中国人民銀行上海本部は『金融科技発展の促進、上海の金融科技センター建設に関する指導意見』を公布した。『意見』は、「金融科学技術を利用して人民元国際化の金融インフラを整備し、外国人ユーザーの第三者決済ツール利用の障害突破を模索し、リスクの制御性を前提として非接触型決済、生物認証技術決済、スマート・ウェアラブル機器決済などの決済方法のイノベーションを引き続き奨励する」とした。
政策が打ち出されると、市場はすぐに反応を示した。