冬になり、ハクチョウの群れが遠いシベリアから河南省の黄河湿地国家級自然保護区に飛来し、冬を快適に過ごす準備を整えている。
同保護区三門峡管理処の責任者の董帥偉氏によると、10年前はハクチョウが少なかったが、ここ数年は増加し、現在は約1万羽が観測されている。ハクチョウは水質に対する要求が高く、その数の増加は湿地の生態環境の改善と大きく関係している。
三門峡市は近年、湿地の回復と修復を強化し、水質は大幅に改善された。董帥偉氏によると、管理処はハクチョウの活動水域で適量の水生生物を栽培し、水を浄化しただけでなく、越冬するハクチョウに豊富な食物を提供した。
河南省に飛来する国家一級重点保護動物のノガン、ナベコウ、コウライアイサなども増加し、長年確認されていなかった陸生野生動物も頻繁に姿を見せるようになった。
2017年、河南省の太行山区で野生のユキヒョウが何度も撮影された。2018年には群れで活動するユキヒョウが初めて撮影され、同年11月に野生のユキヒョウの赤ちゃんも撮影された。そのほか、シベリアジャコウジカ、キエリテン、シベリアノロジカなどの希少動物も撮影されている。
河南省林業局野生動植物・自然保護区管理処の卓衛華処長は、「野生動物が戻ってきたことは、中国の保護が効果を上げ、人類による野生動物妨害が抑制され、生息地が快適になり野生動物の個体群が回復していることを意味する。監視カメラに映ったヒョウは体格がよく、多くの種類の野生動物が増えたことは、森林カバーや湿地環境などの生体条件が全体的に改善されたことを示す」と述べた。
河南省林業局の統計によると、河南省の湿地面積は941万9200ムーに達する。2017年と2007年を比較すると、森林面積は1295万8000ムー増加し、2014~18年で森林カバー率は2.64ポイント上昇した。また、川の水質も持続的に改善され、今年10月時点で、管轄市都市化エリアの150カ所の汚染水系のうち109カ所が改善され、県城都市化エリアの174カ所の汚染水系のうち127カ所が改善された。
鄭州師範学院生物学教授の李長看氏は、「野生動物は生態環境に非常に敏感で、うち多くが現地の生態の質の指標生物であり、種類と個体群の規模は地域の生態環境を最も直接的に表す。野生動物が集団的に戻ってきたことは、地域の生態かん養機能が持続的に回復していることを意味する」と述べた。
河南省の生態環境の持続的改善により、多くの野生動物が山や川、湖に戻り、生態文明理念も人々の心に浸透している。
卓衛華氏は、「人々の生態保護意識が高まり、野生動物に友好的になり、保護する必要のある野生動物を見つけるとすぐに電話で報告してくれるようになった。今後も野生動物の保護を強化する必要がある。動物は話せないが、足で生態環境の質を評価する」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年12月20日