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japanese.china.org.cn |27. 12. 2019

長江口の生態修復に効果あり 水中に長さ147キロの「人工魚礁」

タグ: 生態修復

(图文互动)(2)长江口生态修复见成效 水下长出147公里“人工鱼礁”

   12万匹の魚類、1000キログラムのテナガエビ、2万匹のチュウゴクモクズガニが25日、増殖放流を行う船から長江口水域に放たれ、嬉しそうに大自然に戻っていった。

 

   これは、長江口深水航道整備プロジェクトの第13回増殖放流活動である。活動に参加した交通運輸部長江口航道管理局科技処の高敏処長によると、長江口の生態を修復するため、2001年以降、長江口深水航道整備プロジェクトは計149万6000匹の魚類、2.15トンのエビ、11万匹のチュウゴクモクズガニ、171トンの貝類を放流した。

 

   長江口深水航道整備プロジェクトは長江口南港と北槽区間に位置し、全長92.2キロ、底幅350~400メートル、深さ12.5メートル。1998年に着工した1990年代の中国最大の水運プロジェクトで、2011年5月に国家竣工検収を通過し、常態的な維持管理を開始した。

 

   増殖放流活動に参加した東海水産研究所の生態修復専門家の陳亜瞿教授は、「長江口深水航道整備プロジェクトは世界最大で最も複雑な河口航道整備プロジェクトで、建設当初に生態保護と修復を非常に重視し、約20年間の努力を通し、川の生態を修復し、成果を上げた」と述べた。

 

   82歳の陳亜瞿教授は、約20年にわたり長江口の生態修復研究と実践に取り組んできた。関係部門の支援のもと、彼は2001年にチームを率いて長江口に3080匹のカラチョウザメの稚魚を放流。2002~2004年、二度にわたり長江口深水航道整備プロジェクトの土手とT字形のコンクリートをハードグラウンド構造とし、成年の牡蠣の補充や底生生物の増殖などの手段を通し、中国の河口で最初となる人工牡蠣礁システムを構築した。2004年、長江口で2万5000匹のチュウゴクモクズガニを試験的に放流し、良好な生態効果を上げた。2008年、カラチョウザメの再捕率は1%に達し、チュウゴクモクズガニの増水期捕獲量は20倍以上増加した。

 

   陳亜瞿氏は、「生態修復は生態システム再建の構造を通して現有の生体機能を回復させることを目的としている。長江口深水航道の生態修復は、増殖放流する種の選択において、生態系立体構造の多層性を表している。栄養価の低いレンギョやコクレンもいれば、肉食魚類のコウライギギ、翹嘴鮊、中上層魚類、底生魚類などもいる。また、長江口に底生生物は少なく、魚類の飼料資源が不足しているという状況に対し、生態補償品種にタイワンシジミやゴカイなどの底生生物を用意した。このような立体的で多層的な増殖放流は、生物多様性の回復、水生生態系構造の調整に役立ち、長江口の水生生態系の回復につながる」と話した。

 

   長江口深水航道整備プロジェクトは中国の大型プロジェクト建設の生態補償の手本となり、大規模な生態補償プロジェクトに豊富な経験を蓄積する。12月23日、上海申能崇明発電有限公司が主催する崇明三島支持電源プロジェクトも長江口で水生生物増殖放流活動を行い、魚類54万匹、チュウゴクモクズガニ1万5000匹、ニホンゴカイ150キログラム、テナガエビ500キログラムを放流した。上海市の電力発電業で発電所建設中に大型の増殖放流活動が行われたのはこれが初めてである。



「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年12月27日

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