2020年、石志安さんは「サル飼い」になって9年目を迎える。以前、彼は隣の県の鉱山で働いていた。長年の採鉱で山が賑やかになり、サルは楽園を失った。近年、湖南省西武は鉱山の整備を行い、山は落ち着きを取り戻した。
鉱山を出てから、若い時にサル捕獲者から学んだコツを生かし、石志安さんはサルとより緊密になったが、サルを捕獲することを辛いと感じている。山に果実ができると、彼は山に入りサルに餌付けする。雨や雪の日には山で一日中待ち、サルの群れの無事を確認してから下山する。
ここ数年、石志安さんはサルに深い感情を抱くようになった。彼の世話により、サルは28匹から200匹近くになった。また、呼び寄せるために一部のサルには名前もつけた。その後、多くの猿が生まれ、誕生年から命名したサルもいる。
石志安さんは群れの中で一番小さいサルを抱きながら「あなたたちは‘一九ベイビー’」と言い、特に可愛がっている。彼は1歳にもならないこのサルを最も気にかけている。近くではは「一七ベイビー」と「一八ベイビー」が木の枝に捕まり、ブランコで遊んでいる。
2015年、石志安さんが生活する村は隣村と合併し、鎮幹部は新村を「西游村」と命名することを提議し、村民から支持された。「この名前はぴったりで、村にはサルの群れがおり、‘美猴王’もいる」とある村民は話す。
以前は貧しく、サルは食糧を盗むため村民から嫌われていたが、現在は村の「マスコット」になっている。サルの群れは拡大しているが、村民は敢えて距離を置いている。石志安さんは、これは彼らの野性を極力維持するためだと話す。
1時間以上かけて食事をすると、サルの群れは「美猴王」に別れを告げて散らばって行き、湖北省西部の濃緑色の山はより生き生きとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年1月3日