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japanese.china.org.cn |11. 02. 2020

新型肺炎流行中のトルコ人の生活 弁当の差し入れで励ます

タグ: 新型肺炎 トルコ人

 

 

  「第一線で勤務する人たちに最高の敬意を表する。お疲れさま、ありがとう。心ばかりの差し入れです。体に気をつけて。中国頑張れ!」7日正午、1人の外国人が弁当の差し入れを持って福州市中医院や鼓楼区温泉街道のコミュニティ衛生サービスセンターなどを訪れた。弁当にはピンクのメモが入っており、「阿拉丁」(アラジン)の名前が書かれていた。

  

  「阿拉丁」は福州市の有名なトルコ料理店で、オーナーのアラジン・チョラクさんの中国語名である。レストランをオープンして5年になるアラジンさんは、福州市で生活して25年になる。

  

  記者が福州市鼓楼区五四路にある信和広場1階のレストランでアラジンさんを見たとき、彼は厨房スタッフに100人前の真心セットを作るように指示しながら、トルコから輸入するマスクの状況を電話で聞き、150平方メートルもない店内にはバーベキューとチーズの香りが充満していた。

  

  非常時、レストランは営業を再開しておらず、トルコ人シェフも海外におり、従業員11人がいた店を3人で回し、人手が足りずにアラジンさん夫妻も一緒に作業している。

  

  「感染症の流行が深刻化し、10日も外出していない。自分に何ができるかと焦っている。」マスク越しに、アラジンさんは流暢な中国語でこう話した。コミュニティにレストランの臨時調理許可を申請し、感染症の第一線で闘う人たちに食事を届けることを思いついたという。

 

  アラジンさんは、「春節後、多くの医療、公安、コミュニティのスタッフが第一線で闘っている。仕事は大変で、食事が不便なため、彼らに温かい食事を届けたいと思い、自分にできることでもあると考えた」と話す。

 

  ここ数日、アラジンさんは近所の医療機関、コミュニティ、派出所、住宅管理当直室などに230人前の真心弁当を届けている。また、一部の場所には事前に連絡せずに直接出向き、弁当を置いて帰った。

 

  福州市鼓楼区温泉街道の湯辺住宅には6400世帯、16000人以上の住民、14人の住宅管理スタッフがいる。上層部から人員が追加派遣されたが、感染症予防作業は激務で、責任者の陳華麗さんは、「忙しい時は食事する時間もなく、何曜日だかわからなくなるほど」だと話す。

  

  アラジンさんは、「レストランにある材料に限りがあり、仕入ルートも中断され、食事提供を長く続けるのは難しい。貿易の仕事を何年もしていたため、あるルートを通じて必要な人のためにマスクなどの物資を調達しようと考えた」と話した。

  

  彼のレストランのテーブルには宅配便の袋が並べられ、どの袋にも20枚のマスクと3つのトルコ石鹸が入っている。

  

  数日前、アラジンさんは福建省科技庁に連絡し、中国に残っている外国人専門家と労働者にマスクとトルコ石鹸を無料で送りたいと申し出た。彼はトルコ国内の知人に仕入先を探してもらっただけでなく、自分でも100社以上のトルコのマスクメーカーに連絡し、需給を突き合わせ、発送を進めている。「価格がどうであれ、とりあえず買う」とアラジンさん。

  

  これほど深刻な状況にも関わらず、秩序が維持されていることにアラジンさんは感心した。医療スタッフと末端の労働者は残業し、庶民の基本的な生活物資が保障されている。

  

  1975年生まれのアラジンさんは中国武術が大好きで、イスタンブールで中学校に通っていた時に武術を6年間学び、ブルース・リーにあこがれている。1995年に福州大学に留学し、中国語と国際貿易を専攻し、現在は商売をしながら博士課程を学んでいる。

  

  アラジンさんの妻の林さんは福州市出身で、大学で知り合い、家族になりビジネスパートナーになった。彼女は、「夫は正義感が強く、国内で災害が発生すると、寄付や手助けができないか考える」と話す。

 

  中国とトルコの民間友好の発展を推し進め、公益事業に取り組むアラジンさんは、2019年に「福州市栄誉市民」の称号を取得した。アラジンさんは、「福州は水が多く、木が多く、空気がきれいで、生活しやすい町。近いうちに福州内河公園のガジュマルの木の下で、将棋を指したりジャスミン茶を飲んだりする人たちがまた見られるようになるだろう」と話した。


「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年2月11日


 

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