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japanese.china.org.cn |21. 02. 2020

米ロブスター業、中国市場との取引再開を望む

タグ: 中国市場 ロブスター

 

    メイン州の港町ストーニングトンは米国の伝統のロブスター産地である。冷たい風が吹く中、地元のロブスター合作社の数人の従業員が港に戻った漁船からロブスターの入ったケースを卸している。ロブスター貿易業者のシュー・レノーさんは新華社の記者に対し、「中国とのビジネスが早く回復してほしい」と話した。

 

   ジョー・ハディさんは、「商売がやりにくい。このような大きいロブスターの仕入れ価格は1ポンド(約454グラム)あたり6.5ドルで、価格は以前と同じかやや安いくらいだが、コストはかなり上がった」と、ロブスターを運びながら話した。

 

   合作社はロブスター業者が自ら設立し、漁船が捕獲したロブスターを大量に大型販売取次店に販売する。ハディさんによると、以前はロブスターをポートランドやボストンの貿易会社を通して中国に輸出していたが、現在はカナダに輸出している。

 

   レノーさんのグリーンヘッド・ロブスター会社はザリガニ業に従事して20年以上になり、ストーニングトンで最も大きいロブスター卸売業者の1つである。彼の中国の貿易相手は北京、上海、広州などに分布し、中米貿易摩擦が発生する前のロブスターの年間販売量は1000万ポンドに達し、その30%以上を中国に輸出していた。

 

   レノーさんは2018年夏のことをよく覚えている。米国の中国商品追加関税に対する報復措置として、中国は同年7月にロブスターを含む米国からの輸入商品に追加関税を実施した。彼は、「中国への輸出は全て、その時に途絶えた」と話す。

 

   中米貿易摩擦の発生前、中国はメイン州のロブスターの2番目に大きい輸出市場だった。統計によると、中国が2017年にメイン州から購入したロブスターは約1億3000万ドルで、巨大な需要に後押しされ、2018年上半期にメイン州のロブスターの対中輸出は169%激増した。メイン州国際貿易センターの統計によると、中国の報復関税の実施後、メイン州のロブスターの対中輸出は84%激減した。

 

   その一方で、カナダのロブスター業が発展し、ロブスターを満載した貨物機が大西洋沿岸の港町ハリファックスから中国に直接飛んでいる。カナダ東海岸のロブスターは米メイン州のロブスターと同じ品種である。

 

   ロブスター業はメイン州の基幹産業の1つ。メイン州ロブスター産業連合会の会長は、「メイン州には許可を持つロブスター業者が約4500人おり、2018年のロブスター業従事者は約1万から1万2000人だった。中国はメイン州の沿岸経済に巨大なチャンスをもたらし、中国市場に再び入ることは我々の長期的な経済成長に非常に重要だ」と述べた。

 

   メイン州のロブスター業は中国市場に戻ることを望んでいるが、業界関係者は、失った市場シェアはすぐには取り戻せないとわかっている。レノーさんは、カナダのロブスター業に市場シェアの大部分を奪われ、全サプライチェーンが変化し、以前の状態に戻すことは容易ではないと考えている。

 

   ストーニングトン・ロブスター合作社のロニー・トランディ社長は、「米国企業がある程度の市場シェアを取り戻すには少なくとも1年かかると思う」と話した。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年2月21日


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