3月7日早朝5時、武漢の食料配達員の馬増辰さんは車から同僚に配達状況の確認の電話をかけた。ここ数日は仕事量が多く疲れが溜まっていたため、普段は2時過ぎに会社に着いている馬増辰さんは休みを取った。
友人から「馬哥」と親しまれる馬増辰さんは武漢市の食料販売サイトで業務を行い、新型コロナウイルス肺炎の発生後は都市の「人民の生活保障スタッフ」となり、市民がネット購入した野菜や果物などの生活物資を届けている。感染症流行期間、馬増辰さんの仕事量は激増した。昨年7月にこの食料販売サイトに入った頃の配達件数は1日20~30件だったが、現在は70~80件になっている。
食料配達員の「馬哥」さんの1日は以下の通り。2時前後に起床し、その日の配達情報を確認し、合理的な配達ルートを設定する。3時に会社に着き、その日に配達する商品を準備する。6時過ぎに配達に出発する。午後2時か3時、商品を取りに会社に戻ったついでに、自宅がある住宅地の外で彼女が作ってくれた食事を受け取る。これは1日にとれる唯一の食事で、食べ終わると仕事に戻る。馬増辰さんが普段全ての配達を終えるのは夜9時か10時で、遅い時は夜中12時までかかる。1日4時間か5時間しか休めないという生活を春節前から続けている。
馬増辰さんは、「今この仕事をしているのはお金を稼ぐためだけではない。毎日多くの人と接触してリスクはあるが、住民は食料をきらしてしまったらどうするか。私たちに頼るしかない」と話した。馬増辰さんが勤務する会社は多くの倉庫を保有し、彼が業務を行う倉庫だけで300人以上の配達員がいる。彼らも武漢で感染症と戦う戦士であり、無数の市民の努力によりこの都市は勇敢に突き進み、困難に立ち向かっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年3月9日