35歳の王鵬さんは武漢漢氏環保工程有限公司(以下、漢氏公司)が運営する武漢市有害廃棄物焼却処理センターに勤務している。彼は、同僚とともに医療廃棄物の焼却処理を行なっている。
漢氏公司は武漢市の多くの医療機関で出た医療廃棄物の焼却処理を担当している。毎日、会社の運転手が医療廃棄物を回収し、王鵬さんらは医療廃棄物が入ったバケツを卸し、ローダーに乗せ、機械を動かしてバケツの中の医療廃棄物を焼却炉に投入する。
バケツを卸す、バケツを推す、空になったバケツを消毒する。簡単な作業に思えるが、実は巨大なリスクが伴う。注射針などでビニール袋が破れたり、バケツをひっくり返すときに医療廃棄物が散らばったりすることもある。これらの状況に、王鵬さんらは手作業で処理するしかなく、ウイルスと直接「対面」することになる。
新型コロナウイルス感染症の発生後、医療廃棄物の量が増え、王鵬さんも忙しくなった。朝8時から夜8時まで12時間勤務してようやく交代することもある。「毎日本当に疲れる。仕事を終えて入浴し、ベッドに入るとすぐに眠れる」と話す王鵬さんはここで働いて9年になり、忙しくて疲れるが、自分の仕事は意味のあるものだと感じている。「この仕事が好き。小さく言えば一家を養い、大きく言えば社会に奉仕している」と王鵬さんは話した。
2カ月以上帰宅していない王鵬さんにとって、妻子とビデオチャットしているときは1日で最も嬉しい時間である。「2カ月以上会っていないが、息子はだいぶ背が伸びたようだ」と王鵬さん。昼食の後、王鵬さんは携帯電話を取り出して妻にコールした。ビデオチャットをしていると、息子から「お父さん、いつになったら帰って来られる?」と聞かれ、王鵬さんは「お父さんがウイルスをやっつけたら帰ることができる」と答えた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年3月27日